外交・安全保障調査研究事業費補助金「自由民主主義秩序を支える情報プラットフォームの構築」

外務省の外交・安全保障調査研究事業費補助金(総合事業)の助成を受けて、ROLESは令和5年度(2023年度)より、「自由民主主義秩序を支える情報プラットフォームの構築」を開始しました。

自由・民主主義が揺らいでいるなかで、その意義を再検討するため、さまざまな情報やデータを収集・分析し、公開・発信していく、シンクタンク発の情報プラットフォーム構築を目指します。

分科会

研究会「自由・民主主義の動揺と再編」

近年、自由民主主義を理念としてかかげる国家の内部が揺れ動いています。本分科会は、いわゆる「リベラルな国際秩序」を支える自由民主主義国家の政治・社会におけるそうした「揺らぎ」を、米国政治、そして国際政治にとって分水嶺となる米国大統領選挙にとくに焦点を当て、掘り下げていきます。
また、自由民主主義の「揺らぎ」が同盟関係にどう影響を及ぼすのかについても分析していきます。

研究会「言説空間分析の文理横断的方法と応用」

情報技術の進展により、インターネット、とくに動画サイトやSNSの影響力は、日々その勢いを増しています。本タスクフォースは、情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)などの最先端テクノロジーを駆使し、近年注目が集まっている「認知領域」を対象にした活動を行います。

研究会「戦後日本外交の歴史的研究」

本分科会は、自由・民主主義国家として歩んできた、戦後日本の政治・外交のあり方を検証しつつ、歴史的資料を収集し、編さん、公開することを目的としています。特に、日本が国際社会へと復帰した1950年代を焦点に、日本がどのようにして政治、外交、安全保障政策を構築していったのかを分析します。

研究会「自由・民主主義分析の実証的方法と応用」

自由民主主義の現状と将来を考えるためには、各国の現状について分析するだけでなく、その制度や理念を考察することが不可欠となります。本タスクフォースは、民主主義の制度を、実証的かつ多角的に分析することを目的とします。定量的分析や、比較政治的分析を通じて、現在、民主主義がどのような状況に置かれているのか。その現状の把握につとめます。

研究会「東欧、中・東欧、バルカン諸国の自由・民主主義の帰趨」

現在、東欧、中・東欧、バルカン諸国は、ロシアによるウクライナ侵攻や、国内の民主主義体制の変容により、大きな転換期を迎えつつある。本タスクフォースは、こうした転換期にある東欧、中・東欧、バルカン諸国の対外政策や国内体制の動向を注視し、研究していきます。

活動記録

構成メンバー

池内恵/Satoshi IKEUCHI

教授(グローバルセキュリティ・宗教分野)
イスラーム政治思想 中東政治
「体制間競争の時代における日本の選択肢」事業総括
中東・イスラーム世界のオルターナティブに関する分科会・座長

国末憲人/Norito KUNISUE

特任教授(グローバルセキュリティ・宗教分野)
欧州政治、紛争研究

1963年岡山県生まれ。1985年、大阪大学卒業。1987年に紀行「アフリカの街角から --サバンナ人間紀行」で第3回ノンフィクション朝日ジャーナル大賞優秀賞を受賞。同年、パリ第二大学新聞研究所を中退し、朝日新聞社に入社。

富山・徳島・大阪・広島での支局勤務を経て、パリ支局員(2001〜2004年)、外報部次長(2005~2007年)、パリ支局長(2007~2010年)。論説委員、GLOBE副編集長等を経て、GLOBE編集長(2016~2019年)、ヨーロッパ総局長(2019年~2022年)、編集委員(ヨーロッパ駐在、2022~2023年)、論説委員(2023年)

この間に青山学院大学文学部フランス文学科で非常勤講師も務める(2015〜2018年)。

代表的な連載署名記事に「バービー誕生」全5回、朝日新聞社会面(1994.09.26-09.30)、「平和のメッセージ」全 10 回、朝日新聞広島版(1996.08.26-09.05)、「バグダッドに生きる」全 5 回、朝日新聞国際面(2003.02.12-02.16)、「生きている遺産 消えた村から」全 6 回、朝日新聞夕刊(2009.04.18-04.24)、「生きている遺産 モロッコの広場から」全 5 回、朝日新聞夕刊(2009.07.13-09.17)、「端っこをたどって」全 10 回、朝日新聞夕刊(2014.05.26-06.06)、「黒い大地をたどって」全 10 回、朝日新聞夕刊(2016.10.24-11.07)、「ナゴルノカラバフ往還記」全 5 回、朝日新聞夕刊(2020.12.21-12.25)、「ボスニア 分断の現在地」全 4 回、朝日新聞国際面(2021.02.24-02.27)、「チェルノブイリ、廃虚の街から」全 5 回、朝日新聞夕刊(2021.06.21-06.25) 等がある。

定期連載コラムに、『朝日新聞』「ザ・コラム」(2016.03-2017.09)、『朝日新聞』「日曜に想う」(2021.03-2023.10)、月刊『ふらんす』「アクチュアリテ」「フランス政治を嗤え」(2001-2014)等がある。

朝日新聞論説委員の傍ら、2023年7月〜12月に東京大学先端科学技術研究センター客員上級研究員を兼任する。2023年12月末に朝日新聞社を退社、2024年1月より現職。

刊行物

2024.10.23 (水)

コメンタリー

金成隆一「トランプ王国」あれから8年、ラストベルト再訪の旅 第3部 ミシガン州など(ROLES Commentary No. 34-3)

2024.10.22 (火)

論文

杉谷直哉「“平和主義者” ダグラス・マッカーサーの実像-憲法第九条の父をめぐる言説史-」(ROLES REPORT No.32)

2024.10.15 (火)

コメンタリー

東野篤子「日本のウクライナ支援の実態とその課題」(ROLES Commentary No.35)

2024.09.11 (水)

コメンタリー

金成隆一「トランプ王国」あれから8年、ラストベルト再訪の旅 第2部 オハイオ州北東部の激震地(ROLES Commentary No. 34-2)

2024.09.10 (火)

コメンタリー

金成隆一「トランプ王国」あれから8年 ラストベルト再訪の旅 第1部 揺れ続けるペンシルベニア州(ROLES Commentary No. 34-1)

2024.08.13 (火)

コメンタリー

大橋立紀「アイゼンハワー図書館での「リアルな」調査―2週間の資料調査を経験して」(ROLES Commentary No.31)

2024.05.28 (火)

コメンタリー

中井遼「リトアニア大統領選挙(2024)が持つ東アジア政治との関係」(ROLES Commentary No. 24)

2024.03.28 (木)

コメンタリー

ROLES COMMENTARY No. 19 エストニア、外への備えと内なる課題 ROLES訪問団報告(下) 国末憲人

2024.03.27 (水)

コメンタリー

ROLES COMMENTARY No. 18 ロシアに接するエストニアの不安と懸念   ROLES訪問団報告(上) 国末憲人

2024.03.01 (金)

コメンタリー

ROLES COMMENTARY No. 15 小林弘幸「世界はキッシンジャーの死去に際して何を語ったか」

2024.02.29 (木)

報告書

ROLES Review Vol. 4 「民主主義を取り巻く現在」(2024.2.29発行)

2024.02.28 (Wed.)

Paper

ROLES REPORT No.29 Ryoya ISHIMOTO"Henry Kissinger and Japan: Focusing on the Nixon-Ford Administration Years"

2023.11.10 (金)

論文

ROLES REPORT No. 28 大村華子 「政府への業績評価と認知のゆがみについて考える」

2023.10.24 (火)

論文

ROLES REPORT No.27 大村華子「日本の有権者の『党派性に動機づけられた推論(partisan motivated reasoning)』を考える」

2023.10.03 (火)

論文

ROLES REPORT No.26 小林弘幸「岸田政権の核軍備管理・軍縮・不拡散政策 ―「核兵器のない世界」への現状と課題―」