ROLES客員メンバーの
滋野井研究員が、2026年4月24日放送のBSテレ東「NIKKEI NEWS NEXT」に出演し、イラン戦争をめぐる米国とイランの停戦交渉について解説しました。
番組では、米国とイランの停戦交渉が停滞している背景、双方が提示している条件の隔たり、イラン国内における保守強硬派の台頭、そして今後の交渉の見通しなどについて取り上げられました。
滋野井研究員は、停戦交渉が停滞している要因として、米国側とイラン側の条件が正面から対立している点を指摘しました。米国は、イランに対してウラン濃縮の停止と核兵器の放棄、弾道ミサイル計画の制限、代理勢力への支援停止、ホルムズ海峡の解放などを求めています。これに対してイランは、米国・イスラエルによる攻撃と要人暗殺の停止、戦争が再開しないための国際的な保証とメカニズム、戦争被害の賠償、代理勢力への攻撃停止、ホルムズ海峡に対するイランの主権行使の容認などを求めていると解説しました。
その上で、滋野井研究員は、現在の交渉は一方が大幅に譲歩しなければ合意に至りにくい構造にあると分析しました。特に、イランにとってミサイル能力、代理勢力ネットワーク、ホルムズ海峡への影響力は、停戦後の再攻撃を防ぐための抑止力の中核であり、容易に譲歩できるものではありません。このため、米国が求める条件をイラン側が受け入れる可能性は低いとの見方を示しました。
また、イラン側が譲歩しにくい要因として、イラン体制内で保守強硬派が台頭していることを挙げました。アリー・ハーメネイー最高指導者の殺害後、モジュタバー・ハーメネイーが最高指導者に就任し、革命防衛隊や宗教界・政界の保守強硬派が影響力を強めているとされます。さらに、モジュタバー・ハーメネイー自身が革命防衛隊の第二・第三世代と近い関係にあるとされ、こうした若い世代にはより強硬な対外姿勢を志向する傾向があると説明しました。
滋野井研究員は、こうした国内政治の変化により、イランの体制そのものが妥協を許しにくい方向へ傾きつつあると指摘しました。現在の戦況をイラン側にとって相対的に有利と見る認識も相まって、テヘランは停戦交渉において強い姿勢を維持していると分析しました。
番組では、米国・イスラエル・イランそれぞれの戦略的制約を踏まえ、停戦交渉が妥協に向かうのか、あるいは長期消耗戦や再エスカレーションへ進むのかが、今後の中東情勢と世界経済を左右する重要な論点になると解説しました。
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