サン&スター・シンポジウム・イン・ジャパン2026(Sun & Star Symposium in Japan 2026)の2日目会合が7月25日、東京・六本木の国際文化会館で開催された。ROLES代表の池内恵・東京大学先端科学技術研究センター教授と国末憲人特任教授が講演を行い、パネルディスカッションに参加した。
池内恵教授は「第2部 中東(Panel II: The Middle East )」に登壇し、講演「 中東の地域国際秩序形成における日本の役割(Roles of Japan for the Regional International Order of the Middle East)」を行い、パネルディスカッションに参加した。
池内教授の講演とパネルディスカッションでは、イラン戦争が湾岸・中東地域の地域秩序にもたらした変動をパワーバランスの観点から分析し、イラン戦争のコンテクストと、米・イスラエルとイランの間の交渉の「強制外交」としての性質、イラン戦争によってイランが被った軍事的な損失と戦略的な利益の双方を分析した。それに基づき、イラン戦争の停戦・暫定合意までの間にイランが「ホルムズ海峡の鍵の保有者(Key-bearer of the Strait of Hormuz)」としての地位を獲得したこと、それに米国が異議を唱え、同等かそれ以上の「鍵の保有者」としての地位を主張するペルシア湾の「護持者(Guardian)」を称しているという概念化を行った。パネルディスカッションで池内教授は戦略的な観点からのイラン戦争の当面の「勝者」と「敗者」に関する見解を提示し、湾岸アラブ産油国(GCC諸国)各国がそれぞれに直面する苦境について論及し、日本がペルシア湾岸の産油国間の協調やアジアのエネルギー輸入国間の協調のための仲介を行う役割を果たすことを提案した。また、パネル討論者のサブリー・アテシュSMU教授の質問に応え、イラン・イスラーム共和国体制が戦争によって受けた影響の程度を、「体制転換」「体制内の変化」「体制の(性質の)変化」の概念的分化を通じて分析した。それによれば、「体制転換」以外はすでに生じており、短期的には革命防衛隊の戦時指導体制が米・イスラエルによる宗教指導者の排除によって確立された「体制内の変化」が生じ、長期的にはイスラーム共和国体制の理念的柱の溶解が攻撃によって促進される「体制の(性質の変化)」が生じていることが示唆された。
国末特任教授は、「第3部 欧州(Panel III: Europe)」に登壇し、講演「ロシア・ウクライナ戦争と欧州の地域国際秩序(Russia-Ukraine War and the Regional International Order of Europe)」を行い、パネルディスカッションに参加した。