ロシア北極圏のノーヴァヤ・ゼムリャー核実験場では、依然として活発な活動が観察できる。ROLES SAT ANALYSIS第10号では光学衛星を用いてその様子を紹介したが、第11号では合成開口レーター(SAR)衛星による続報をお伝えする。秋以降、北極圏では悪天候の日が増え、光学衛星による観測が難しくなるため、気象の影響を受けにくいSARを使用するものである。 ノーヴァヤ・ゼムリャー核実験場の管理施設は、バレンツ海に面したセーヴェルヌィ周辺に集中しているが、ここでは大規模施設の整備が続いていることが確認できる。画像①には昨年12月と今年10月初頭時点の画像を示したが、以前から建設が行われていた施設Aがほぼ完成に近づく一方、Cの区画が新たに整備され始めた。B区画でも建造物や資材が増加している。