2024年7月22日、渋谷QWS・SCRAMBLE HALLにて、
シンポジウム「戦時下のウクライナで人々は何を見、感じているのか」を開催しました。
東京大学先端科学技術センターの国末憲人特任教授が、前任のジャーナリスト時代からウクライナ渡航を重ね、取材を続けてきた成果を基に基調講演を行いました。昨年来の反転攻勢が不発に終わった後のウクライナ社会の世論の揺らぎ、現在の前線の戦況、ロシア軍占領下で虐待を受けた被害者や虐殺犠牲者の遺族の動向などを含めた最新の情報について発表が行われました。
国末報告を受け、ROLESのプロジェクト・メンバーで、
研究会「東欧、中・東欧、バルカン諸国の自由・民主主義の帰趨」座長の東野篤子・筑波大学教授の報告が行われました。東野報告では、ROLESの事業の一部として行われたトルコ、エストニア、ポーランド、台湾等の戦略的な地点への出張・国際会議参加や、その他の事業枠組みによって行われたオーストラリア、韓国、セルビア等での滞在・出張・国際会議等への参加を通した、国際社会における「ロシア・ウクライナの受け止め方」の幅広い分布について、包括的な報告が行われました。
その後、中井遼・東京大学先端科学技術研究センター教授、小泉悠・東京大学先端科学技術研究センター准教授、池内恵・東京大学先端科学技術研究センター教授が登壇して、それぞれの専門分野からのロシア・ウクライナ戦争をめぐる知見の提示や問題提起を行いました。その上で、国末特任教授・東野教授と合わせて五名によるパネル登壇者が、会場の市民から数多く寄せられた質問に応え、ロシアのウクライナ侵攻に関する多角的で活発な議論の場となりました。