2021年6月12日に、ROLESでは「
大国間競争時代の世界と向き合う 大学発シンクタンクROLESの挑戦」と銘打ったウェビナーを開催しました。
【動画】このウェビナーでは、2020年に先端研グローバルセキュリティ・宗教分野が中心となって設立された「先端研創発戦略研究オープンラボ(ROLES)」の活動を紹介しました。
ROLESは学内と学外、国内と国外、研究者と実務者といった垣根を取り払い、国際関係や安全保障に関する最新の知見を広く結集とする「オープンラボ」として設立されました。運営予算の大部分は公官庁や民間企業から自主調達した外部資金で賄われています。
2年目に入ったROLESは何を目指すのか。ROLESを運営する池内恵教授と小泉悠特任助教が、若手メンバーと共に、「大学発シンクタンク」の挑戦がもたらす可能性を語りました。
前半では釜山国立大学客員教授で米ハワイ州ホノルルのシンクタンクであるパシフィック・フォーラムでも客員研究員も務める山口亮先生による講演「極東アジアの安全保障」が行われました。山口亮先生は、近著Ryo Hinata-Yamaguchi, Defense Planning and Readiness of North Korea: Armed to Rule を素材に、北朝鮮の国防戦略とそれに基づく計画を分析しました。
講演後に、小泉悠特任助教の司会で、ワシントンの有力シンクタンク、ハドソン研究所の村野将研究員がコメントを行い、講演者とのディスカッションが続きました。
後半は、「グローバルセキュリティの新地平」と題したパネルディスカッションで、ROLESを推進するグローバルセキュリティ・宗教分野に属する研究員が、それぞれの専門分野から、大学に位置するシンクタンクの可能性を論じました。
まず日本国際フォーラムの研究主幹を兼務する伊藤和歌子シニアプログラムコーディネーターが、大学発のシンクタンクが持つ可能性と課題に関するプレゼンテーションを行いました。
続いて、バルカン地域、中国ウイグル、台湾、日米同盟、ユダヤ教と一神教といった、現代世界における戦略的課題に取り組む、グローバルセキュリティ分野の若手研究者が順に登壇し、それぞれの専門における「創発」を考察しました。
プログラム
13:00-14:00 第1部 極東アジアの安全保障
冒頭あいさつ 池内恵(先端研教授)
司会 小泉悠(先端研特任助教)
報告 山口亮(釜山国立大学客員教授/パシフィック・フォーラム客員研究員)「北朝鮮の国防:戦略と計画」
コメント 村野将(ハドソン研究所研究員)
14:00-15:00 第2部 グローバルセキュリティの新地平
司会 池内恵(先端研教授)
伊藤和歌子(先端研シニアプログラムコーディネーター)「大学発シンクタンクの可能性と課題」
立田由紀恵(先端研特任研究員)「バルカン地域の宗教・宗派間関係」
田中周(先端研特任研究員)「中国のウイグル政策」
周俊宇(先端研特任研究員)「台湾のナショナリズム」
鍛治一郎 (先端研特任研究員)「日米同盟の現在と未来」
山城貢司(先端研特任研究員)「アブラハム一神教研究の新地平」
本ウェビナーは、6月11日ー12日に全編オンラインで開催された、
2021東大駒場リサーチキャンパス公開の一環として開催されました(
特設サイトでの
紹介)。