論文

2025 / 03 / 26 (Wed.)

齋藤 竜太「中央アジアとアフガニスタンの水問題:SIC-ICWC作成のレポートを基に」 (ROLES REPORT No. 38)

 本稿は研究会「広域中央アジアの重畳化する安全保障環境」の枠内において実施した外部機関による委託調査「Water relations between Afghanistan and Uzbekistan: establishing a dialogue」について、その成果物(レポート)を紹介しつつ中央アジアとアフガニスタンの水問題について以下概観していく。

 旧ソ連中央アジア(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンおよびウズベキスタン)にとって、水資源管理は長らく国家間対立の火種の一つであり続けた。「マー・ワラー・アンナフル」(アラビア語で「川の向こうの土地」)という歴史的呼称が示すように、この地域はアム川とシル川という2つの大河川に挟まれている一方、気候は乾燥しており、水資源はそれら河川に依存している。1991年のソ連崩壊は新生独立国家の国境による河川の分断につながり、水資源に富む上流国と水源を他国に依存する下流国とに明確に分かれることになった。しかし、ウズベキスタンの初代大統領イスラム・カリモフが2016年に急逝したのちは、それまでの上流国・下流国間の対立関係が解消に向かい、地域内協調へと向かう動きがみられた。

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