アブストラクト

2021年の中国による極超音速兵器実験は、冷戦期を彷彿とさせる運搬手段である部分軌道爆撃システム(FOBS)の使用によって、米国内で懸念を引き起こした。一連の実験を巡っては、その脅威に関する二元論的な評価が先行し、建設的な認識が妨げられてきた。そのため本稿は、当該運搬手段の能力について探るべく、中国による2021年の実験とソ連の先行事例について比較分析を行った。分析に際しては、双方の能力、米国の探知・迎撃システム、脅威が米国政府によってどのように認識されたかという変数を選択した。結果として、中国によるFOBSの実験がスプートニクの打ち上げ(Sputnik moment)に匹敵する蓋然性は低いと分析した。他方、同実験において示された、極超音速滑空体(HGV)に搭載される子弾の可能性については、その戦略的安定性への影響という観点から注視されるべきであると結論付けた。

 (本論考の続きをご覧になるには、下記の「ダウンロード」をクリックしてください。本稿の英語版「Two Fractional Orbital Bombardment Systems: Comparing space bombardment systems of China and the Soviet Union (ROLES REPORT No.33)」はすでに当サイトに掲載されています)