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池内恵教授が、2026年3月27日放送のNHK「国際報道2026」に出演し、イラン戦争をめぐる情勢と湾岸諸国の動向について解説しました。同内容は、2026年4月2日に「
【池内恵さん解説・イラン情勢】軍事作戦1か月 湾岸諸国は」としてNHKの番組ページで公開されました。
番組では、2026年2月28日に開始された米国・イスラエルによる対イラン軍事作戦から1か月を迎えるなか、軍事作戦の成果と限界、イランによる反撃、ホルムズ海峡の封鎖、米国・イラン間の間接協議、湾岸諸国それぞれの立場などが取り上げられました。
池内教授は、米国とイスラエルによる対イラン攻撃について、純軍事的には事前に想定されていた主要な標的への攻撃をおおむね実施し、一定の成果を上げていると説明しました。一方で、体制転換やイランの反撃抑止、ホルムズ海峡の航行再開といった政治的・戦略的な目的は達成されておらず、軍事力によって得ようとした成果が十分に得られていないと指摘しました。
また、イランは米国・イスラエルとの軍事力の差が大きいにもかかわらず、限られた軍事力を用いて政治的・戦略的な効果を生み出していると分析しました。特に、ホルムズ海峡を事実上封鎖することで、小さな軍事力を大きな政治的効果に結びつけている点を指摘しました。その上で、米国・イスラエルが短期的に政治的・戦略的成果を得られない場合、地上部隊の投入など、本来は避けられると考えられていた軍事作戦に進む可能性があり、戦争が長期化する瀬戸際にあると論じました。
米国とイランの間接協議については、双方が高い要求を提示していると説明しました。米国側の要求は、核開発の停止、ミサイル・ドローン能力の制限、ハマスやヒズボラなど周辺勢力への支援停止、そしてホルムズ海峡の開放など、開戦前から求めてきた条件をおおむね繰り返すものです。これに対してイラン側は、経済制裁の解除、戦争再発を防ぐ安全の保証、賠償、さらにホルムズ海峡に対する自らの統制の正当化を求めており、池内教授は、イランが現時点で比較的強い立場にあるとの認識のもと、過大な要求を提示していると分析しました。
番組では、湾岸諸国の立場についても詳しく解説しました。池内教授は、サウジアラビア、UAE、バーレーン、オマーン、カタール、クウェートからなる湾岸アラブ産油国は、日本のエネルギー供給にとって極めて重要であり、米国・イスラエルとイランの戦争がこれらの国々に及ぼす影響は、日本にとっても重大な問題であると指摘しました。
その上で、湾岸諸国の立場には差異があると説明しました。UAEとバーレーンは、2020年のアブラハム合意を通じてイスラエルと国交を正常化しており、イランに対してより強硬な立場をとりやすい国と位置づけられます。両国は今回、イランから激しい攻撃を受けるなかで、戦後にイランが十分に弱体化していなければ、今後も攻撃を受け続けるとの懸念を強めており、米国・イスラエル側により深く立つ以外に生き残る道はないと考え始めている可能性があると論じました。
一方で、サウジアラビアとカタールについては、イランのさらなる弱体化や混乱が域内全体の不安定化を招くこと、またイスラエルが強くなりすぎれば湾岸諸国との関係が従属的なものになりかねないことを懸念していると説明しました。このため両国は、イランからの攻撃には強い姿勢で臨みつつも、対イラン攻撃に直接参加することは避け、米国に加えてパキスタン、トルコ、エジプトなどの地域大国を巻き込みながら、早期停戦と緊張緩和を模索していると分析しました。また、オマーンについては、開戦前から仲介役を担ってきた国として、イランとの対話を維持し、米国・イスラエルによる攻撃にも批判的な立場を示していると説明しました。
さらに、アブラハム合意の今後について、池内教授は、UAEとバーレーンにとってイスラエルとの国交正常化はすでに戦略的な選択となっており、戦後も維持される可能性が高いと指摘しました。他方で、サウジアラビアがアブラハム合意に加わることは、湾岸アラブ産油国全体がイスラエル側に立つことを意味し得るため、サウジアラビアとしては容易に踏み切れないと説明しました。今後、湾岸諸国は、イスラエル側により接近するUAE・バーレーンと、イランおよびイスラエルとのバランスを模索するサウジアラビア・カタールに分かれていく可能性があると論じました。
詳細は以下よりご覧ください:
【池内恵さん解説・イラン情勢】軍事作戦1か月 湾岸諸国は
https://www.web.nhk/tv/an/kokusaihoudou/pl/series-tep-8M689W8RVX/bl/pDAZdogaO5/bp/p5Xov0zOlK