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ROLES外交・安全保障提言を公表 ロシア・ウクライナ、中東、中国の3分野

東京大学先端研・創発戦略研究オープンラボ(ROLES)は19日、ロシア・ウクライナ、中東、中国の3分野における提言を公表した。日本政府と国民に対し、外交・安全保障面で採るべき具体的な方針と政策を、それぞれ3点に絞って提案した。
ロシア・ウクライナに関する提言は、「ウクライナ戦争下の世界における日本の外交・安全保障政策に向けた提言」と題し、以下の3点を挙げた。
①ロシアのエネルギー産業、軍需産業に対する制裁を強化するとともに、ウクライナのニーズを把握するメカニズムを設置し、資機材を供与しつつ再建を支援する。
②北方領土・平和条約締結問題についての現実的な見通しに基づく対露政策を立案し、戦略的コミュニケーションを推進する。
③中、朝及び露の軍事的連携に対抗する安全保障上の連携を強化しつつ、ウクライナの経験を日本政府・自衛隊の運用体制に反映させるチャンネルを構築する。

中東に関する提言は、「提言:日本政府への「中東地域外交のすすめ」」と題し、以下の③点を挙げた。
①「中東地域政策課」を創設し、中東の地域国際政治に一体・包括的に対処せよ。
②中東地域外交を東南アジア地域外交と接合せよ。
③中東地域に対する日本外交の多層的、多元的、多重的なチャンネルを構築せよ。

中国に関する提言は、「中国をめぐるグローバルな外交・安全保障戦略への提言」と題し、以下の3点を挙げた。
①日米中3カ国の思考を脱し、中国やロシアとは異なる日本独自の「多極化」構想を打ち出せ。世界の「調整役」を担え。
②個々の地域の言語を学び、それぞれの国の内在論理を把握しつつ、きめ細やかな地域理解を日本のマクロ外交構築に結びつけよ。
③日本が得意とするアジア外交とそれ以外の地域との結びつきも強めよ。特にアフリカへの戦略を構築し、アフリカの地域大国との連携を探れ。

12月19日午後6時からは、提言の公表を含めたシンポジウム「東大内シンクタンクプロジェクトROLESとは何者だったか:そして私たちはどこへ行くのか」が、東京の渋谷QWSで開かれる。
提言の内容は以下の通り。
https://roles.rcast.u-tokyo.ac.jp/publication/202512191
https://roles.rcast.u-tokyo.ac.jp/publication/202512192
https://roles.rcast.u-tokyo.ac.jp/publication/202512193