お知らせ

2025 / 05 / 31 (土)

シンポジウム「外交・安全保障シンクタンクはどこへいく? ROLESの挑戦と日本の課題」

2025年5月31日に、グローバルセキュリティ・宗教分野(池内研究室)は、国際安全保障構想分野(小泉研究室)及び附属エネルギー国際安全保障機構・国際比較政治変動分野(中井研究室)と共に、東大駒場リサーチキャンパス公開2025の一環として、シンポジウム「外交・安全保障シンクタンクはどこへいく? ROLESの挑戦と日本の課題」を企画し実施しました。

基調となる冒頭の講演で、創発戦略研究オープンラボ(ROLES)代表の池内恵教授は、「大学発」のシンクタンクであるROLESの活動を、その理念や組織、運営実態から分析し、他の形態のシンクタンクとの比較を行いながら、その役割と意義、これまでの達成、そして将来の課題を論じました。

パネリストとしてオンライン登壇した鈴木一人・東京大学公共政策大学院教授は、所長を務める地経学研究所(IOG)の事例を踏まえ、特定の官庁や補助金に依存しない、多くの企業からの拠出に支えられたシンクタンク運営のあり方を論じました。

前・駐イラク特命全権大使で、中曽根平和研究所主任研究員や日本国際問題研究所ネットワーク本部長を歴任した松本太・一橋大学国際・公共政策大学院教授は外交・安全保障シンクタンクのそもそもの存在意義と果たすべき役割を外交政策の実務の立場から忌憚なく述べ、日本のシンクタンクの現状に批判的・冷静な評価を加えた上で、今後の展開方向の可能性を示唆しました。

山本文土・外務省総合外交政策局参事官は、外交・安全保障調査研究補助金事業を管轄する官庁の部局の幹部として、個人的な見解ながら、日本の外交・安全保障シンクタンクに期待される能力や役割を述べました。

本シンポジウムは、グローバルセキュリティ・宗教分野が2020年に提唱し開設した大学発の外交・安全保障シンクタンクROLESの成果と課題を振り返り、将来への布石とするものです。シンポジウムの内容は、議論を踏まえてアップデートを行い、他の論文を加えた上で、ROLES Reviewの特集として刊行される予定です。