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Beyond the Headlines イベントページはこちらから】
2025年3月31日に、ROLESは、東京大学情報学環の
渡邉英徳研究室と連携し、シンポジウム「Beyond the Headlines —データ・メディア・テクノロジーで読み解くガザ危機の深層—」を開催します。
中東の最有力メディアであるカタールのアル・ジャジーラ・メディア・ネットワークと東京大学大学院情報学環メディア・コンテンツ総合研究機構(機構長:大学院情報学環・渡邉英徳教授)は、
2024年9月に、パレスチナ・ガザ地区の戦争被害を一人称視点で追体験するVRコンテンツの共同開発に関してMOUを締結しました【東京大学プレスリリース】。
このMOUを踏まえて東大情報学環・渡邉英徳研究室が主導する本シンポジウムに、東大先端研ROLESが協力し、中東やロシアの国際関係・安全保障研究の知見を提供します。国際関係・安全保障研究とデータビジュアライゼーションの先端技術を融合し、現代の紛争を可視化する、文理融合とグローバルな国際連携の新基軸を提案します。
カタール、レバノン、UAEアブダビ、北米や西欧から、有力な研究者が来日し、対面で、ガザ紛争を中心とした紛争の、グローバルな視覚化の手法と効果を議論します。
当日は、現地でデータビジュアライゼーションの実演・展示が、13:00~15:00に、シンポジウムは15:00に開場、15:30に開始し20:00まで行われます。
ROLESからは池内恵・東京大学先端科学技術研究センター教授(グローバルセキュリティ・宗教分野、ROLES代表)、小泉悠・「東京大学先端科学技術研究センター准教授(国際安全保障構想分野、ROLES副代表)が登壇します。
ご関心の方は、
イベントページで随時アップデートされる詳細をご覧いただき、
予約登録サイト(Peatix)で参加登録をお願いします。
下記にプログラム・概要の抜粋を記載します。
シンポジウム
Beyond the Headlines —データ・メディア・テクノロジーで読み解くガザ危機の深層—
報道の最前線と先端テクノロジーで危機を読み解く2023年10月7日のハマースによる越境攻撃と、イスラエルの反撃は深刻な人道危機をもたらしました。東京大学情報学環は、中東の報道機関アルジャジーラとベイルート・アメリカン大学(AUB)と連携し、ガザの戦争被害を先端テクノロジーを用いて再表現・発信する国際共同研究を推進しています。その取り組みの一環として、国内外の著名な研究者・ジャーナリスト・専門家を招き、ガザ危機を多面的に議論する国際シンポジウムおよび企画展を開催します。
シンポジウムの特色
最新情勢の学際的議論最前線のジャーナリストや報道機関の専門家、研究者がジェノサイドやイスラエルの行動原理、偽情報といった切り口から学際的にガザ危機の現状と背景を考察します。
先端技術を用いた多角的分析衛星画像解析やデジタルアーカイブ構築など、データ・メディア・テクノロジーを駆使した戦災分析手法や情報保全の取り組みを紹介し、戦争をめぐる現代の情報学に迫ります。
中東と日本の専門家との双方向のコミュニケーション(同時通訳あり)中東と日本の研究者・メディアが、パレスチナを中心とした戦災をテーマとして議論します。会場からもオンラインツールで議論に参加可能です。
データ・メディア・テクノロジーの学際的な企画展本イベントでは、東京大学大学院情報学環(渡邉英徳研究室)とアルジャジーラが共同で開発したXRコンテンツや、日本の報道機関、データ解析企業などによる戦災をテーマとした企画展を実施します。
開催詳細日時:2025年3月31日(月)
■ 展示:13:00~15:00
■ シンポジウム:開場15:00、開始15:30~20:00
場所情報学環福武ホール(東京大学本郷キャンパス)地下2階
主催・共催・後援
主催:東京大学(大学院情報学環メディア・コンテンツ総合研究機構、講談社・メディアドゥ新しい本寄付講座、東京大学先端科学技術研究センター創発戦略研究オープンラボ(ROLES))
共催:アルジャジーラ、ベイルート・アメリカン大学、株式会社Quick
後援:読売新聞社
日英同時通訳あり
参加費無料
【企画展 出展社一覧】NHK、読売新聞社、日本経済新聞社、日本テレビHD、赤十字国際委員会、株式会社Quick、株式会社ユーカリヤ
シンポジウムタイムテーブル15:30-15:35 開会挨拶 渡邉 英徳
15:35-15:40 オープニングリマークス アラファート・シュクリー(アルジャジーラ研究所)
15:40-16:00 東京大学 × アルジャジーラ × ベイルート・アメリカン大学 共同研究紹介
ハニーン・シェハーデ(ニューヨーク大学アブダビ校)
滋野井 公季(東京大学)
16:00-17:00 パネル1「ガザ情勢の最前線」
ハニーン・シェハーデ(ニューヨーク大学アブダビ校)
TBD(アルジャジーラ)※オンライン参加
池内 恵(東京大学)
竹下 隆一郎(TBS)(モデレーター)
17:00-17:25 途中休憩
17:25-18:35 パネル2「衛星画像を用いた戦争分析」
ラーミー・ズライク(ベイルート・アメリカン大学)
井上 直樹(NHK)
黄田 和宏(日経新聞)
小泉 悠(東京大学)
指原 佑佳(東京大学)
滋野井 公季(東京大学)(モデレーター)
18:40-19:50 パネル3「戦災とデジタルアーカイブ」
ジャミーラ・ガッダール(アムステルダム大学)
マリアム・カリーム(ノースウェスタン大学カタール校)
鈴木 聡(NHK)
梁田 真樹子(読売新聞)
小松 尚平(東京大学)
渡邉 英徳(東京大学)(モデレーター)
19:55-20:00 閉会挨拶 池内 恵
招聘研究者(現地登壇予定)ラーミー・ズライク(Dr. Rami Zurayk)ベイルート・アメリカン大学 工学・建築研究科 建築デザイン学科エコシステム・マネジメント学 教授。ベイルート・アメリカン大学より学士号と修士号、オックスフォード大学より博士号取得。専門は、地球科学、土壌・食糧・環境科学。NatureやThe Lancetなど著名学術誌に論文を多数掲載している。2015年から2019年まで世界食料安全保障委員会(CFS)の食料安全保障と栄養に関するハイレベル専門家パネル(HLPE)の運営委員を務め、持続可能な食料システムからの持続可能な食生活に関するEAT-Lancet委員会の委員等を歴任した。レバノン出身。
ハニーン・シェハーデ(Dr. Hanine Shehadeh)ニューヨーク大学アブダビ校客員助教授(人文学)。アムステルダム大学より学士号と修士号、コロンビア大学より修士号と博士号を取得。専門は、デジタル・コロニアリズム、宗教学、ナショナリズム研究。ヨーロッパ・キリスト教の反ユダヤ主義シオニズムにおいて「不名誉なユダヤ人」という社会的、政治的、宗教的、文化的現象が構築された歴史を明らかにした彼女の研究は、コロンビア大学のサロ&ジャネット・バロン賞(ユダヤ研究部門)にノミネートされた。入植者植民地社会における感情形成に関する研究は、コロンビア大学の人文学戦争と平和イニシアチブ賞(HWPI)を受賞。パレスチナ・ガザ地区出身。
ジャミーラ・ガッダール(Dr. Jamila Ghaddar)アムステルダム大学メディア研究科 アーカイブ情報学・人文情報学 助教授。アーカイブ・デジタルメディア・ラボ初代所長。専門はデジタル・アーカイブ、情報人文学。マクマスター大学より学士号、トロント大学より修士号と博士号を取得。分野主要誌のArchival Science、Library Quarterly、Archivariaなどに論文を掲載している。2016年に発表したカナダと真実和解委員会の間のアーカイブをめぐる法廷闘争に関する論文は、カナダ・アーキビスト協会のW・ケイ・ラム賞(最優秀論文賞)を受賞した。テキサス大学エクイティ学部のシニア・ドクトラル・フェローシップ、ALAのユージン・ガーフィールド学位論文フェローシップ、カナダ社会科学・人文科学研究評議会(SSHRC)の複数年のドクトラル・フェローシップを授与されている。レバノン出身。
マリアム・カリーム(Dr. Mariam Karim)ノースウェスタン大学カタール校グローバル・ポストドクトラル・スカラー。トロント大学にて視覚文化とコミュニケーション学の優等学士号、マクマスター大学でカルチュラル・スタディーズと批評理論の修士号、トロント大学より情報学の博士号を取得。デジタルメディアの現代的な利用を歴史的な探究を通して位置づけ、メディア帝国主義と植民地主義の文脈でアラブのマスメディアを研究している。クリティカル・デジタル・ヒューマニティーズ・イニシアチブの初代フェローを務め、社会科学・人文科学研究評議会(SSHRC)の博士賞を受賞した。
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ROLESでは、東大先端研を拠点とする強みを活かし、文理融合・横断の試みを並行して多く進めています。それらは
研究会「先端科学技術と安全保障」として推進しています。