Commentary

2024 / 02 / 26 (Mon.)

ROLES COMMENTARY No. 14 西山美久・田中祐真「ロシア・ウクライナ戦争下における中央アジア情勢」

概要

● カザフスタンは、ウズベキスタン及びキルギスに比べ、ロシアによるウクライナ侵略の影響を強く受けた国。多数のロシア人の流入による不動産価格・物価の上昇が著しいほか、ロシア系企業数の激増や所謂地下経済を通じての制裁回避が行われている。2022年1月のアルマティにおける騒擾以降、内政は大きな移行期にある。外交では、これまでの全方位外交を堅持、単純に「ロシア離れ」の状況にあるとはいえない。若者を中心にウクライナへの支持が比較的強い。
● ズベキスタンは、「ロシアによるウクライナへの特別軍事作戦の影響は無く、安定している」(現地政府関係者談)とされるが、物価上昇などは現れている。政府はコロナ禍に引き続き給付金等の支出を行っている。中国企業の進出も目覚ましく、ウズベキスタン内でそのプレゼンスを高めている。戦争が長期化しながらも対露感情に大きな影響は無く、また政府がロシアによるウクライナ侵略を議論の対象としていないため、国民の関心も比較的薄い。外交ではカザフスタン同様、全方位外交を維持。
● キルギスは、カザフスタン程ではないものの、ロシアによるウクライナ侵略の影響で不動産価格が上昇。開戦当初には若者と中高年で見解が割れたものの、ロシアへ好感を持つ者の割合が比較的多く、また欧米への反感からロシアを支持する国民もいる。反戦デモが禁止され、政府が積極的に取り上げないことから、ロシアによるウクライナ侵略に対する国民の関心は薄れつつある。
● 上記3か国全てにおいて、ロシアを経由しない代替物流ルートを検討中。
● 中央アジア域内協力に関する上記3か国の姿勢には温度差が見られる。

(続きは本文をご覧ください)

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