[Announcement in English]

2025年9月18日、大阪・関西万博のカタール・パビリオンにて、東京大学とカタール財団のグローバルヘルス政策センター「World Innovation Summit for Health（WISH）」は、研究やアドボカシーの推進に関する包括的な協力覚書（MOU）を締結しました。

調印式では、カタール国ジャベル・ジャララ・アルマッリ特命全権大使立ち合いのもと、渡邉英徳・東京大学情報学環教授（情報学環）と、スリーム・スラーマ WISH CEOが署名しました。調印式には東京大学とWISHの協力の企画・運営を推進している滋野井公季・東京大学情報学環客員研究員/先端研連携研究員が参加しました。

本覚書は、エビデンスに基づく政策立案、利害関係者との協働、研究成果の発信を柱とし、ヘルス・セキュリティ、気候変動、グローバルヘルス外交、ウェルビーイングなど多様な課題に取り組むことを目的としています。特に、武力紛争下の国や中東・北アフリカ地域などの健康課題に焦点を当て、国際的な研究と社会実装の結節点となることを目指します。

渡邉教授は「戦争や災害の記録・アーカイブにおける情報学環の知見、先端科学技術研究センターや医学部の研究力を結集することで、健康と幸福に資する成果を創出できる」と強調しました。

スラーマCEOは「30年以上にわたりカタール財団が培ってきた卓越性と革新の精神のもと、東京大学との協働は世界に向けた新しい道を切り拓く」と述べました。

ROLESでは情報学環・渡邉英徳研究室と連携して「研究会「先端科学技術と安全保障」」を推進しています。これに加え、カタール財団WISHとは「ヘルスコミュニケーション」をテーマに紛争下における認知領域や偽情報についての共同研究について準備を進めています。

関連リンク
共同通信「東大がカタール団体と覚書 先端技術、医療で協力」
産経新聞「東大がカタール前首長の創設団体と覚書 先端技術や医療で協力強化「両国関係一層深まる」」
東京大学大学院情報学環・学際情報学府「東京大学とカタール財団、グローバルヘルス分野で包括的な覚書を締結」
Qatar Embassy in Tokyo, "Ambassador of the State of Qatar to Japan participates in the signing ceremony of a Memorandum of Understanding between the World Innovation Summit for Health (WISH) | Qatar Foundation and the University of Tokyo."
Qatar News Agency, "QF's WISH and University of Tokyo Sign Landmark Agreement at Osaka Expo."
The Peninsula, "QF’s WISH and University of Tokyo sign agreement to advance global health policy at Osaka Expo."
Gulf Times, "WISH, University of Tokyo sign agreement to advance global health policy."
Qatar Day, "QF's WISH and University of Tokyo Sign Landmark Agreement at Osaka Expo."
Koki Shigenoi, "Building Bridges for Global Health: The WISH–University of Tokyo Partnership," Qatar Foundation World Innovation Summit for Health.