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2024 / 10 / 23 (水)

カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校でワークショップ「Animism Today」を開催

2024年10月21日、22日、カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校(UCSB)において、ROLESとUCSB Department of Religious Studiesの主催でワークショップ「Animism Today」が開催された。ROLESのメンバーである國學院大學教授・平藤喜久子、多摩美術大学教授・港千尋とUCSBのファビオ・ランベッリ教授の共同企画によるもので、UCSBの教員、学生30名余が参加した。
 
アニミズムは、19世紀、イギリスのエドワード・B・タイラーによって提唱された宗教の起源に関わる概念である。宗教起源論、宗教進化論としてのアニミズム論には批判も多く、もはやタイラーの文脈で使用されることはないといってよい。しかし、現象としてのアニミズムとなると、話は異なる。とくに日本の宗教文化については、山や木や岩に霊魂の存在を感じ、神が宿るものとして崇拝するあり方をアニミズムと表現し、現代にもその信仰が受け継がれていると語られる。
 
今回のワークショップは、日本側から現代日本の文化とアニミズムの関わり方を発信し、それを受けてUCSBの古代ギリシャ、キリスト教、メソアメリカ、インドなどさまざまな宗教の研究者たちが、それぞれの研究分野とアニミズムとの関わりを論じた。日本からの登壇者は、平藤喜久子(國學院大學教授)、港千尋(多摩美術大学教授・写真家)、松村一男(和光大学教授)、小泉凡(小泉八雲記念館館長)。
 
ワークショップでは、目玉の一つとして、出雲大社のドキュメンタリー作品“Building Eternity :The Kami-Human Landscape of Izumo Taisha”( 永遠を建てる—出雲大社カミとヒトの風景へ)を作成し、公開した。60年ごとに遷宮を行い、社殿の修造を繰り返し、有限の素材を永遠につなげていく出雲大社の文化を、アニミズム的価値観との関わりから理解するものである。この上映では、出雲大社の建築の魅力や神の子孫とされる権宮司・千家和比古氏への貴重なインタビュー内容などに大きな反響を得た。
くわえて、港千尋氏とアーティストのKio Griffith氏によるユニットKugenumaによる新しいアートワークSurrealisme Cent Ans en Cent Motsも発表された。アンドレ・ブルトンの「シュルレアリスム宣言」から100年目の2024年にアニミズムをテーマとした現代アートをAIを使用して作成するというものであった。
 
UCSBからは、宗教学だけではなくメディアアートを専門とする研究者も参加しており、彼らからは、UCSBの先端的なメディアアートプロジェクトであるAlloSphereの紹介もなされた。
本ワークショップでは、日本の宗教文化をきっかけとして、現代から未来へのアニミズムの広がりを論じ、体験することができた。

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