戦争体験を描くアニメーションは、『はだしのゲン』(1983)や『火垂るの墓』(1988)がよく知られています。近年では『ジョバンニの島』(2014)がソ連占領下の色丹島を描き、『この世界の片隅に』(2016)が人びとの暮らしという視点から戦時下の日常生活を描きました。『戦争童話集』(2002)のように、子どもの視点から戦争体験を描いたアニメーション映画もあります。みなさんは、どのような作品を思い浮かべますか?
このトークイベントでは、アニメーションを通じて、戦争の記憶や体験がどのように表現されているかを、みなさんとともに考えたいと思います。
*会場で戦争体験に関する絵本等を展示します。ぜひ開演前にお手に取ってご覧ください。
日時:2025年1月11日(土) 18:30~20:30(会場17:30)
会場::SHIBUYA QWS CROSS PARK
(東京都渋谷区渋谷2-24-12 スクランブルスクエア15F)
タイムテーブル
18:30~18:40 イントロダクション
18:40~19:10 アルト・ヨアヒム(国立歴史民俗博物館)
「終戦と戦後:アニメにおけるヒロシマと色丹島の比較」
19:10~19:40 長谷川章(秋田大学)
「ソ連のアニメーションと戦争体験」
19:40~20:30 ディスカッション
二人の専門家が、それぞれの視点からアニメーションにおける戦争体験を語ります。
アルト・ヨアヒムは、「終戦と戦後:アニメにおけるヒロシマと色丹島の比較」をテーマに、アニメーション映画『ジョヴァンニの島』や『はだしのゲン』をとりあげます。作品の中で「敵」がどのように描かれているかについて考察します。
長谷川章は、「ソ連のアニメーションと戦争体験」をテーマに、2022年のウクライナ侵攻に対するロシア・アニメーターたちの反戦メッセージや、第二次世界大戦時のソ連アニメーターの戦争体験を考察します。とりあげるアニメーターは、『話の話』(1984)のユーリ・ノルシュテイン監督や『チェブラーシカ』のロマン・カチャーノフ監督です。
プレゼンテーションの後は、みなさんと一緒にディスカッションを行います。アニメーションが戦争への認識にどのような影響を与えてきたのか、これからどう変えていけるのか、一緒に考えを深めていけたらと思います。たくさんのご意見やご質問をお待ちしています。
主催:SHIBUYA QWS Innovation協議会
共催:東大先端研創発戦略研究オープンラボ(ROLES)、日本学術振興会科研費基盤B「戦時下の教会:ウクライナとその周辺国における宗教・国家・社会」(代表者:井上まどか 24K00012)