東京大学先端科学技術研究センターのROLES(東大先端研創発戦略研究オープンラボ)グローバルセキュリティ・宗教分野では、2024年4月23日(火)に、RCASTセキュリティ・セミナーの一環として、康仁徳(カン・インドク)・元韓国統一部長官の2024年4月の来日に合わせて、研究セミナーを開催します。研究セミナーでは、91歳になられた康仁徳長官が一昨年に韓国で出版された回顧録などから、彼の韓国の情報分析官としての数奇な人生と、日本とのつながりについて、出席者からの質問に答える形でお話しいただこうと考えています。
康仁徳長官は、1932年11月10日生まれで、1961年の韓国中央情報部の創設メンバーの一人であり、若くして対北朝鮮OSINT分析体制を構築し、北朝鮮の脅威から韓国の安全を守ってきた韓国の功労者の一人です。韓国中央情報部といえば「南山」といわれた工作部門が知られていますが、OSINT分析部門はそれとは違い「里門洞」といわれます。中央情報部を引退した後、極東問題研究所所長として活躍されてきましたが、金大中大統領に請われて統一部長官に就任し、再び政界で活躍されました。その後は日本で聖学院大学総合研究所客員教授、韓国では極東問題研究所理事長、北韓大学院大学招聘教授を歴任されてきました。生まれは、現在は北朝鮮の平壌市にある平安南道七谷(チルゴル)村ですが、キリスト教徒であることから中学生であった朝鮮戦争前に両親と別れて、貨物列車に乗ってソウルに難を逃れ、韓国軍に入隊して、故郷と戦ってきました。七谷村の康氏は、金日成の母親・康盤石(カン・バンソク)や北朝鮮副主席の康良煜(カン・リャンウク)などを輩出した北朝鮮の政治エリート一族として有名ですが、その中で韓国の政治エリートになったのは、康仁徳長官だけです。
RCASTセキュリティ・セミナー「ある中央情報部分析官の生きざま」
講師:
康仁徳(北韓大学院大学招聘教授)
司会:宮本悟(聖学院大学教授)
開催日時: 2024年4月23日(火)14:00-17:00
会場:東京大学・駒場リサーチキャンパス 13号館1階旧教授会室
形式:対面(オンラインなし)
言語:日本語(通訳なし)
登録:参加は招待者のみ。招待状が届いておらず、かつ参加ご希望の方は、宮本悟先生(s_miyamoto(at)
seigakuin-univ.ac.jp ※ (at) は @ に置き換えて下さい)までご連絡ください。
主催:東京大学先端科学技術研究センター(グローバルセキュリティ・宗教分野/池内研)
東京大学先端科学技術研究センター・創発戦略研究オープンラボ(ROLES)