JRC, SOAS University of London & ROLES, The University of Tokyo
Animism Future Forum-Rethinking Animism from Japan 開催報告
【日時】
2025年10月31日(金)17:00~19:30
【場所】
ロンドン大学SOAS校
【参加者】
Fabio Gygi (SOAS, London University)
Lucia Dolce (SOAS, London University)
Alan Cumming (SOAS, London University)
Meghanne Barker(University College London)
Simon Kaner (Sainsbury Institute for the Study of Japanese Arts and Cultures, East Anglia University)
西村明(東京大学)
平藤喜久子 (國學院大學)
港千尋(多摩美術大学、写真家)
【共催機関】
Japan Research Center,
SOAS University of London
Sainsbury Institute for the Study of Japanese Arts and Cultures
【趣旨】
「アニミズム」という語は、山や岩、木、さらには人工物まで、生物・無生物の区別なく、霊的な存在が宿るとする感性や信仰を指している。
この概念は、19世紀のイギリスの人類学者エドワード・B・タイラーによって、宗教の起源を説明するために提唱された。彼は宗教を、アニミズム(精霊信仰)から多神教、そして一神教へと発展していくものと捉え、アニミズムをいわゆる〈未開〉社会の特徴と位置づけた。しかし現在では、こうした進化主義的な枠組みから離れ、アニミズムは自然との共生や非人間的存在への敬意を示す思考様式として広く使われている。
古くから日本では、円錐形の美しい山、どうしてできたのかと驚かされる巨大な岩、枝が二股に分かれた巨木、一年を通して色鮮やかな常緑樹といった自然物に「神が宿る」と考えられてきた。そのためアニミズムは、日本の宗教文化や精神性の特徴を表す言葉としてもしばしば用いられている。
宮崎駿のアニメを語る際にもアニミズムという言葉は使用される。「となりのトトロ」のトトロは、作品のために作られたキャラクターだが、しばしば日本のアニミズムを背景にしていると説明される。現在この作品はイギリスで舞台化され、大きな話題と人気を呼んでいる。また、2024年には『千と千尋の神隠し』も同地で上演され、日本のアニメーションに通底するアニミズム的世界観が国境を越えて受容されていることが示された。
本フォーラムでは、こうしたアニミズムをめぐる信仰と表現を手がかりに、アニミズムの未来を考える。出雲大社の遷宮に代表される神道の建築文化や、そこに宿る神・自然・人の関係性を描いたドキュメンタリーの上映を第一部とし、第二部では宗教、考古、アートに関わる研究者が集い、アニミズムの未来への可能性を討議する。AIが浸透する現代において、「もの」と「生命」の関わりをあらためて問い直す試みである。
【報告】
ドキュメンタリーBuilding Eternity 上映後、平藤喜久子、西村明、Fabio Gygiが、日本のアニミズムについて動物、マテリアリティ、供養などの観点から研究発表を行い、Lucia Dolceがコメントを行った。フロアからは、スタジオジブリ砂浜の人気についてなど、多岐にわたる質問が寄せられ、活発な議論が行われた。
【関連リンク】
https://www.soas.ac.uk/about/event/futures-animism