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1955年8月31日
第3回 重光・ダレス会談(1955年8月31日)
1955年8月31日に行われた、重光葵外務大臣・ジョン・F・ダレス(John F. Dulles)国務長官の第3回会談の記録である。日本側、米国側、そして日米両国の記録の対照表が掲載されている。
※本ページはまだ試験公開中です。資料の正確性には細心の注意を払っていますが、引用、参照等される場合は、試験公開中である点、ご留意ください
日本側記録
米国側記録
日米対照表
日本側記録
{ "time": 1736425553819, "blocks": [ { "id": "-iGV-HNWTX", "type": "header", "data": { "text": "重光大臣、国務長官会談メモ(第三回)", "level": 2 } }, { "id": "wAUqQAvpp3", "type": "paragraph", "data": { "text": "外務省外交史料館所蔵(H22-003, 0611-2010-0791-08)" } }, { "id": "Httf66581f", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光大臣、国務長官会談メモ(第三回)" } }, { "id": "i8-cVIuOZe", "type": "paragraph", "data": { "text": "昭和三十年八月三十一日" } }, { "id": "AAU54n19gg", "type": "paragraph", "data": { "text": " 出席者第一回双方出席者に、日本側湯川、千葉両局長、米側ホリスターICA長官が加わつた。" } }, { "id": "Am7wTPQuw_", "type": "paragraph", "data": { "text": " 当日の会談においては経済問題、戦犯釈放問題、琉球小笠原問題並びに共同声明について討議が行われた。討議の状況左のとおり。" } }, { "id": "lqN6cXxOfZ", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 まず経済問題について自分の考えを申し述べたい。(左記を朗読、英語原文別紙(一)参照)" } }, { "id": "AnlRUbxvZY", "type": "paragraph", "data": { "text": " 「まず米国市場に対する貿易の促進について述べたい。<br> 貿易の拡大こそは日本が自立経済を達成するための最も重要なる要件である。<br> 日本の米国に対する輸出総額は戦後如何なる年においても三億弗を超えたことがないのに、日本の米国からの輸入は年々七、八億弗に達している。かくて日米貿易における日本の赤字は年々約五億弗であり、これが世界貿易における日本の赤字の主たる部分を構成している。" } }, { "id": "y3FwmA56-0", "type": "paragraph", "data": { "text": " 日本のガット加入は日本の貿易尻の改善に貢献すると期待されている。米国が右加入実現につき助力してくれたことについては深く多とするものである。" } }, { "id": "8WcfUpHWBk", "type": "paragraph", "data": { "text": " 日本の努力に拘らず、米国以外の国々に対する日本の輸出は、東南アジア諸国における限られたる購買力及び中共に対する厳重な輸出統制等を見るとき、たといガット加入後といえども、前述の貿易尻の赤字を補う程充分に増加するとは考えられない。また仮りにこれ等地域に対する日本の輸出が著しく増大したとしても、それだけではポンドその他の通貨の交換性がないということから、日本の慢性的ドル不足を解決はしないだろう。" } }, { "id": "zsR1lI_bzT", "type": "paragraph", "data": { "text": " 更に今まで日本の貿易尻の赤字を補うのに役立つて来た特需によるドル収入も、顕著に減少しつつある。" } }, { "id": "69quReelcu", "type": "paragraph", "data": { "text": " 従つて米国市場に対する輸出増進を通じて、日本の貿易尻を改善することは、日本経済にとり目下の急務である。" } }, { "id": "RdW17c2Sy3", "type": "paragraph", "data": { "text": " 日本には一つで大きくまとまつている様な輸出品目はほとんどなく、米国に対する輸出品は種々雑多の細々した品目から成り立つている。小企業によつて生産加工されるこれら商品は米国以外には大きな輸出市場をもたないのである。これ等商品に対する国内市場も亦非常に限られている。かくしてこれ等小企業の多くはほとんど全くといつてよい位、米国市場に依存しているといつてよい訳である。" } }, { "id": "Yg3cT77lTD", "type": "paragraph", "data": { "text": " 日本は米国に対する輸出増進のために、企業の近代化と取引方法の改善を通じてコストの切下げに努めており、また輸出商品のデザインと品質の向上にも努力している。政府はまた米国企業と不必要な摩擦を惹起せぬ様、且つ不公正な貿易慣行を抑止する様あらゆる努力を傾倒して来ている。しかしながら、米国では日本からの輸入を削減するため関税引上げや輸入割当を設くべしとの要求が、関係企業から屢々提起されている。今までは幸にして米国政府の公正且つ友好的態度のおかげで、関税引上も輸入割当も実現したことはない。しかし日本からの輸入制限を要求するこの様な動きは関係日本企業にとり常に悩みの種であり、それがため長期にわたる生産や輸出の計画を樹立して実行することを困難ならしめている。" } }, { "id": "X_uZBd8LHq", "type": "paragraph", "data": { "text": " それが故に、日本の希望するところは、米国政府が関税引上や数量的輸入制限等を採らず、かくして日本商品にもつと安定した市場を与える様注意深い考慮を払つて頂きたい。ということである。他面反ダンピング法やその他日本からの輸入に影響をもつ米国法律の諸条項の適用に当つては、慎重を旨とし、又それらが日本の通常輸出を不当に阻害せざるよう修正されることを希望する。" } }, { "id": "H0gFEV4LmW", "type": "paragraph", "data": { "text": " 次は東南アジアにおける米国との経済協力についての我方の期待について考慮を願いたい。" } }, { "id": "fLpzRt-IwK", "type": "paragraph", "data": { "text": " 東南アジア諸国における資本形成の比率は著しく低く、個人当り収入のレヴェルは中南米よりも低い。これ等諸国の輸出は若干の原料品に依存しており、従つて朝鮮事変終了後右主要輸出品の値下がりのため、その外貨ポジションは悪化した。" } }, { "id": "YHjQOwLjGO", "type": "paragraph", "data": { "text": " こういう無理な経済状態は同地域における共産党の漫潤に恰好の機会を与えるものであり、近接した中共における急速なる経済建設が東南アジアの諸国民に極めてアトラクティヴなものに見えることも明らかである。" } }, { "id": "p8hdQQds54", "type": "paragraph", "data": { "text": " 同地域における共産党の脅威に有効に対処するためには、この地域の経済開発を促進し、住民の生活水準を向上するための努力を至急強化することが肝要である。このことは若し自由諸国特に米国が、同地域に対する経済援助供与につき積極的に協力するならば不可能のことではない。" } }, { "id": "y-zDhhwjXW", "type": "paragraph", "data": { "text": " 日本はこうしたことを念頭において昨年十月コロンボ・プランに参加した。日本は資金に乏しいが、資本財と技術援助とを供与することにより同プランの参加国と協力するつもりであり、そうすることにより日本とこの地域との貿易を拡大することをも望んでいる。" } }, { "id": "A83ID68-Zd", "type": "paragraph", "data": { "text": " 今や東南アジアのために一億ドルの大統領基金も設けられたことであるし、この地域の経済開発計画が、出来る限り早く実施に移されることが望ましい。これに関連し、日本は同地域における基礎産業を樹立するために必要な資本財と技術とを供給する地位にある。" } }, { "id": "hfZ8i2_Leq", "type": "paragraph", "data": { "text": " 日本政府はまた、米国政府が同地域の技術援助計画を促進するために、右の基金から日本に技術訓練のセンターズを設置することを考慮されんことを希望する。" } }, { "id": "DDS2CSC4fx", "type": "paragraph", "data": { "text": " 防衛援助並びに直接事業援助を含めて東南アジアに割当てられている十二億一千万ドルを越ゆる米国援助資金に関しては、この資金が域外買付と地域内貿易の増進のため使用されることが望ましい。" } }, { "id": "ulQRQRUpLd", "type": "paragraph", "data": { "text": " 東南アジアのための米国援助資金が多辺的に使用されることは、日本と同地域との相互の経済関係を増進するのに貢献するという見地から望ましい。しかし日本の立場からは、右多辺的使用が日本とこの地域との通常の貿易関係に不利益に使用しないようにすることが絶対的に必要である。" } }, { "id": "QEVuDi6N8u", "type": "paragraph", "data": { "text": " 次に中共貿易についての我方立場を申述べれば、支那大陸は日本の伝統的市場であつたが、中共政権下においては事態は変つている。日本は自由諸国の一員として中共貿易に厳重な統制を行つており、他方中共は消費財の輸入を極端に制限するとともにソ連及び東欧諸国に強く依存し始めている。" } }, { "id": "i4-eC5sbEF", "type": "paragraph", "data": { "text": " 若し上述のような国際情勢でなかつたならば日本は鉄鉱石や粘結炭や大豆や塩のような日本経済に不可欠の原料を、戦前におけるが如く日本からの輸出の見返りに主として支那大陸から輸入し、そうすれば現在慢性的ドル不足に悩んでいる日本経済はもつと良い方に進んでいたかも知れない。" } }, { "id": "OQt4tvjNzX", "type": "paragraph", "data": { "text": " 日本は対共産諸国向け戦略物資の輸出に関する幾多の国際約束を絶えず忠実に遵守してきている。しかしながら対東欧ソ連圏の統制と対中共の統制との間における隔差は、昨年夏前者に大幅の緩和がなされた結果現在では対東欧ソ連圏には輸出可能で対中共向けには輸出禁止となつている品目が二九〇品目もあるという程大きくなつている。" } }, { "id": "cUYULVmldC", "type": "paragraph", "data": { "text": " 我々は、右両地域の地理的近接と緊密な政治依存関係に鑑み、戦略物資統制が充分実効的であるためには、対東欧向と同程度の統制が中共に対して行わるべきであることを固く信ずるものである。" } }, { "id": "lgPfD1UuNR", "type": "paragraph", "data": { "text": " 更に説明すれば、若し東欧ソ連圏が対中共禁輸リスト物資を自由諸国から輸入し中共に流すとか、或いは東欧ソ連圏が自由諸国から自由に輸入する結果同種物資で自国で生産されるものを中共に輸出するということが行われれば、中共に対する戦略物資の輸出統制は実効性を失う訳である。それが故に、日本政府は、輸出禁止措置に関しては、これら両地域を一つの且つ同じブロックとして考え現在の対中共統制は出来る限り早い時期に対欧ソ連圏に適用されている統制と同じレベルまで調整せらるべきことを希望する。" } }, { "id": "bWQOr5HdVp", "type": "paragraph", "data": { "text": " 成程、中共政権下にある支那大陸との貿易量は、右の程度の貿易統制緩和があつたからとて大したことは期待されない。しかし海外市場の開拓に躍起となつている日本経済にとつては仮令小さい貿易の増加でも大きい意味を持ち得ることを看過すべきでない。" } }, { "id": "CrZL72qFGx", "type": "paragraph", "data": { "text": " 更に附言すべきことは、上述の程度の緩和は単に輿論に副うこととなるのみならず、対中共貿易に対して一層強い統制をしていることを反米政治宣伝の具として利用せんとしている諸政党にその機会を奪うことともなるということである。" } }, { "id": "VC9UqycsS9", "type": "paragraph", "data": { "text": " 更に旧日本委任統治南洋群島における日本企業の再開について申し上げる。" } }, { "id": "TtVj_xqFc0", "type": "paragraph", "data": { "text": " 日本政府は米国政府に対して、日本の事業会社が戦前日本委任統治下にあつた南洋群島で従事していた事業活動を再開したいとの熱望について、好意的考慮を払うよう屢次にわたつて要求してきた。" } }, { "id": "9st92oJ2PF", "type": "paragraph", "data": { "text": " 本件に付米国政府より好意的回答に接しないので、日本人による経済活動の全面的再開の第一歩として、米国政府が日本漁船に対し漁業基地として、南洋における一、二の島港を供与して欲しいとの提案もなされ、この提案が具体化した場合日本漁業にもたらすであろう経済的利益の詳細の見積が参考として国務省に提出されている。" } }, { "id": "d8mdENpHi2", "type": "paragraph", "data": { "text": " これら日本政府の要求が米国政府によつて同意される前に、本問題が米国政府に与うる諸困難、特に本地域における米国海軍の戦略的考慮より生ずる困難は充分に理解されるところである。" } }, { "id": "qygxx7HRvy", "type": "paragraph", "data": { "text": " しかしながら、全体の計画は本件事業活動の再開が直面せねばならない如何なる戦略的且つ技術的要求にも、容易に調整せられ得るものであり、また右活動を計画しつつある日本企業は米国当局により彼等に課せらるることあるべき必要な制限もしくは条件に充分応ずる用意があるものと信ぜられる。その上もしこれら諸企業が彼等の計画を実施することを認められるならば、過去におけるこれら未開発島嶼における経済活動の広汎な経験とともに本地域における社会的、経済的条件に関する豊富な経験をもつて、島民の生活水準の向上と全体の福祉に貢献すべしとの確信がある。" } }, { "id": "lfNy_svho3", "type": "paragraph", "data": { "text": " 上述の理由により、米国政府が日本政府のこの反覆されている要求に好意的考慮を払われ、かくて自立経済のため奮闘している日本国民に対し更に一層の事業と雇傭の機会が与えられ、同時に日本漁業が日本近海で直面している諸困難が軽減されることについて、切に依頼したい。" } }, { "id": "-g5RMi78Lr", "type": "paragraph", "data": { "text": " 以上について米国政府が何等かの措置をとることを希望する。" } }, { "id": "l1GK10t9SS", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 東南アジア経済問題についてはあとでホリスター国際協力局長官よりコメントがあろう。われわれは過剰の人口と資源の欠乏との故に日本が直面している経済的困難をよく認識している。われわれは日本政府が日本商品が外国市場にフラッドしないように自制措置を採つていることを認める。若しも諸君が外国市場においてリーズナブルの分前を持つことで満足されるならば\nall right である。若しそれ以上を欲するときは異議を持つこととなろうがある程度自国の産業を保護せねばならぬからである。Reasonable access to U.S. markets で満足しそれ以上プレスしないことが良いと思う。" } }, { "id": "1kLaBKjlT1", "type": "paragraph", "data": { "text": " こういう意味で自分は日本が自制措置を執られつつあることを喜ぶ、また自制措置については反トラスト法もまた考慮に入れられねばならない。またわれわれは日本がガットと良好な関係を持つように助け、日本のガット正式加入に関しては大いに努力し(tried hard)成功した。なおそのための関税交渉についても他の諸国をリードして来た。日本のガット加入によつて各地における市場が日本に開かれることを期待している。われわれはアジアにおける諸国に資本を供与しその経済発展を図るため色々の措置を講じようとしているが日本に機会を与えるよう取計われることを望んでいる。またわれわれは米国も一役買つて日本が資本的援助を行うような一つの地域的計画に従事したい(We would like to engage in a single regional program under which Japan\nwill make loan assistance, with the U.S. having the part of it.)。文化関係の支出計画にもこのようなことが取り入れられよう。日米間の貿易の赤字は主に米軍隊の落す金でオフセットされて来た。この金は漸次減るとはいえなおconsiderableである。朝鮮の戦争が止んだので特需発注の減少したことは事実であるがこの戦争の再発は望まないところであるからこの種の援助は今後期待できまい。" } }, { "id": "d8oV9G8Mml", "type": "paragraph", "data": { "text": " 日本は遅まきながら austerity measure を採つている。三年前自分が訪日したときは奢侈品が多く何でも東京で買うことが出来紐育以上に感じた位であつた。朝鮮事変によつて得られた幸運をこのように消費するのはぜい沢なことと思つた。 austerity の政策が執られたので貿易のバランスが取れることになるであろう。日米間の片貿易は止む得ないことと思われるが貿易外収入で補うことが出来ると思う。英国の例を採ればドルの貿易収支の不利なることは日本と同様であるがこの不利を貿易外収支で補つている。" } }, { "id": "TGh2CbUoHr", "type": "paragraph", "data": { "text": " 貴大臣は中共貿易の問題を提起された。自分はこの問題は経済的というよりもむしろ心理的要素(psycological factor)を持つものと感じている。日本にとり支那は決して大きな市場ではなかつた。朝鮮と満洲と含めて始めて大であつたと言える。支那本国との貿易はそこに政治権力を樹立してからである。支那は貧しい地域である。諸君は支那から戦略物資以外価値のあるものを入手出来ないがその戦略物資についても輸出の余力はない。大規模の貿易を行う基礎はない。自分は禁輸リストの改訂より諸君が果して多くを期待し得るやを疑う。実害が少いなら改訂をして差支なかろうとの意見もあろう。成程東欧ソ連圏に対する輸出統制は昨年ある程度緩和された。しかし中共については中共政府が自由諸国に対しもつと友好的態度を示すに至らない限りリストの変更は容易でない。ジュネーヴにおける会談は\nproductive でない。タイミングもまた考えねばならない。一方的に緩和することは望ましくない。リストの改訂は日本にとり政治的利益はあつても大きい経済的利益をもたらすものではない。この点の利害得失を考えなければならない。将来ある程度の改訂は必然的であるがその時期はまだ来ていないと考える。中共に対しては\nmoral satisfaction を与えない方が良く、日本も中共の事態には関心を有するので米国に協力されることを希望する。" } }, { "id": "wb1MnjFqzP", "type": "paragraph", "data": { "text": "ホリスター 東南アジア開発の大統領基金は二、三週間前にコングレス協賛を得たが、まだ完全に具体化された計画はない。それは三年計画であるので周到な研究を要する。われわれはそれは\nregional matter として取扱い、その利益を出来るだけ多くの国々に均霑させたいと思つている。若し日本側でこれについてサゼスチョンがあるならば、それをももらつて他の東南アジア諸国のプランと一緒に役立たせるよう研究して見たい。" } }, { "id": "qov6n3ULcH", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 南洋群島の問題は主として国防省(security)の問題である。御要望の次第は国防省に移ちようしその後において国防省で何か意見の変更があるかどうかと照会することとしよう。" } }, { "id": "9QfflLF-mi", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 東南アジアとの経済協力について、何か情報があれば伺いたい。" } }, { "id": "GHfWkhLVqN", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 日本は東南アジアに対してその売込みを増加しつつあるか。" } }, { "id": "UUrI9nn34X", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 増加しつつある。" } }, { "id": "Ks8O3gCK58", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 嘗て米国はインドシナに対する援助をドルの形でフランスに与え、フランスはそれを地方通貨でインドシナに送り、これによつてフランスの対インドシナ貿易の助長を計つていたが、最近になりフランスを経由せず直接現地にドル援助をすることにした。このことは日本と東南アジアとの貿易を一層促進することになると思つている。" } }, { "id": "w6l7yizZJ_", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 東南アジア開発計画は全体として有益である。" } }, { "id": "-JoWSWrcr-", "type": "paragraph", "data": { "text": "ホリスター 日本と東南アジアとの貿易はどの位か。" } }, { "id": "s0W5SWqpAw", "type": "paragraph", "data": { "text": "湯川 一九五四年の統計では日本から東南アジアに対する輸出は四億八千万ドル即ち日本総輸出の三二パーセントであり、輸入は三億八千万ドル即ち日本総輸入の約二〇パーセントである。" } }, { "id": "dk-B5lRJkv", "type": "paragraph", "data": { "text": "ホリスター 一昨年と比べて余程増大しているか。" } }, { "id": "sh09GqkGPL", "type": "paragraph", "data": { "text": "湯川 少しは殖えているが大体において一昨年と同様である。" } }, { "id": "ay61JWK0R6", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 仏印への援助を直接ドルですることに切り換えたのは本年に入つてからのことであるし貿易増大の効果の現われるのも暫く時がかかろう。" } }, { "id": "wmHvchgUUn", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 現在の増加の傾向を助長したい。貴国務長官は対中共貿易統制の緩和は今なお時期尚早と考えられるか。" } }, { "id": "Nkm8G21lpU", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス そのとおり。対東欧ソ連圏向統制と対中共向統制との隔差二九〇品目中特に日本として重要な品目があるか。" } }, { "id": "f9fR4rcgRo", "type": "paragraph", "data": { "text": "湯川 例えば亜鉛鉄板の如きものがそれである。" } }, { "id": "ZScoGTBZ1W", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 日本側のエキスパートをして日本が特に興味を有する品目を提出させられるならば、米国側の専門家にその戦略的価値を研究させ、果して禁輸解除して差支えないものかどうか研究させてもよい。" } }, { "id": "Dwl_7pi7Z-", "type": "paragraph", "data": { "text": "ホリスター 希望品目についてメモランダムを用意されては如何。" } }, { "id": "2_bVIYpEWQ", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 在ワシントン大使館を通じてメモランダムを提出することとしたい。" } }, { "id": "ras_RX52od", "type": "paragraph", "data": { "text": "(ここでダレス国務長官は五時に英仏両国大使と会う約束があるからとて共同ステートメントに討議を移すことを申出たが重光大臣は案件の二つを残すに過ぎないと述べたので議事の順序は変えなかつた。)" } }, { "id": "KS_U-QS5iA", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 次に戦犯釈放問題について申し上げたい。(左記を朗読)(英語原文別紙(二)参照)" } }, { "id": "CIotvYt2rC", "type": "paragraph", "data": { "text": " 戦後既に十年を経過し日米間に緊密で親和的な関係を保つことがわが国策の基調となつておるにもかかわらずいわゆる戦争犯罪の科で相当数の日本人が未だ収監され、その家族は家の支柱を失つて非常な苦しみを嘗めさせられている実情である。" } }, { "id": "7yHjivRd3F", "type": "paragraph", "data": { "text": " この事態はわが国民にとり納得し難いところである。和協の平和は十年前結ばれたにもかかわらず戦争のそう痍は拭い去られていない。日本国民は再武装を慫慂されるが未だ日本国民としての誇りを傷けるこの堪え難い汚点は残されている。能う限りの処置を講じて日米両国民の積極的にして実際的なる共同関係を強固にする時期が到来しておる。然るにもかかわらず未だにこれらいわゆる戦犯(注)が牢獄に繋がれている事実は心理的に日本国民がこれら処置を支持することを困難にしている。過激分子はこれを利用して反米運動を誘発し、日米間の紐帯を弱からしめんとしている。政府の政策に対する国民の支持を得んとすれば、われわれの頭上に蔽いかぶさるこの暗雲を払い除くことが緊要である。この障碍を除去することの重要性はいくら強調しても強調し過ぎることはない。" } }, { "id": "otepyI3ojN", "type": "paragraph", "data": { "text": " これ故にわれわれは米国が上述の事態を完全に了解して米国の管轄の下で未だに拘束されているこれら日本人の全員を釈放するため早期に処置を講じ、もつて米国と一層の協力を為さんとするわが国策の遂行を容易ならしめんことを要請する。" } }, { "id": "TrqJSuo22C", "type": "paragraph", "data": { "text": " なお米国の好意的処置は他の関係国を誘つて同様の処置を取るよう仕向けるものと信ぜられる。その場合日本は米国の処置を一層深く感謝することとなるであろう。今こそ米国がその好意と寛大の精神を生かす絶好の時期である。" } }, { "id": "zzA1j6EDF7", "type": "paragraph", "data": { "text": "注 総人数五七七名の内米国の管轄下にある者は二一〇名で総人数の三六パーセントに当る。" } }, { "id": "h6A9wDd0eU", "type": "paragraph", "data": { "text": " これは自分のパーソナル・アピールである。" } }, { "id": "uk0hrU0WPL", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 既に御存知の事と思うが、今日二十二名の戦犯者の釈放が発表されるはずである。これは少くとも貴大臣の御希望の第一歩である。" } }, { "id": "lcSJ3kfH5F", "type": "paragraph", "data": { "text": "(ダレス長官リスト掲載の公表文を渡し大臣これを一読す。)" } }, { "id": "BD5PmHTtjs", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 感謝す。(grateful)、更に審査を継続せられんことをアピールしたい。" } }, { "id": "RWmLXMpPYz", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 戦犯者問題は非常に困難な問題である。貴大臣も同意されると思うが今なお抑留されている人達は極悪な罪(grievous\ncrime)を犯している。これ等につき如何にすれば公平(justly)に処置出来るか悩んでいる。釈放プログラムを研究中である。戦犯問題のため日本に惹起されている反米感情に言及せられたが若し戦犯者の spectacular blanket release を行うならば、米国の在郷軍人会等が動いて米国人の間において強い反日感情を惹起することも考慮せねばならぬ。日米間の友好関係は必要ではあるが、戦犯者釈放によりて生ずべき反日感情をミニマイズすることが必要である。日本に対する苦い戦争の記憶をよみがえらせることは策を得たものではない。こうした見地から今包括的なパロールは約束出来ない。併し米国民が公平と考える限度内において且つ反日感情を誘発しない限度内で釈放の方向に進んでいる。自分は戦犯者の問題を絶えず考えているし大統領もそうである。" } }, { "id": "d6nMTaojP1", "type": "paragraph", "data": { "text": " なおそのほか七名の国際犯罪(international crime)の戦犯者がある。これらの釈放措置は一国だけでは執れないが、われわれは本件をも考慮するよう他の関係国と話をつけつつあり(We have an arrangement with the other countries concerned to\nconsider them also.)近い将来において七名の釈放が得られることと思う。" } }, { "id": "t-NIsL092p", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 貴大臣の執られつつある措置について深く感謝する。" } }, { "id": "ZEPCqkIhRQ", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 琉球、小笠原問題について申し上げる。(左記を朗読)(英語原文別紙(三)参照)" } }, { "id": "aULAB_GDQ9", "type": "paragraph", "data": { "text": " 大きな重要性を有する問題の一つは、平和条約第三条に言及された琉球、小笠原その他の諸島の日本復帰の問題である。米国がこれ等ら諸島を早期に日本行政に復帰せしめることは、日本国民全体の熾烈な希望である。" } }, { "id": "rBUHxBHg2m", "type": "paragraph", "data": { "text": " これ等の諸島の日本の行政への復帰は島民の長い熱望を満足せしめるばかりでなく、特に漁業分野における日本経済に寄与するであろうことは附言するまでもないところである。" } }, { "id": "gx6mmVTszq", "type": "paragraph", "data": { "text": " 日本政府が前記の諸島に対する潜在主権を保有し又それ等諸島島民は日本国民であるとの見解に米国政府が同意している事を確認される事を切に希望する。それは日本国民の抱いている懸念を除去し又左翼勢力の本問題に対する好ましからざる煽動を封ずるであろう。ダレス氏は一九五一年九月五日桑港における平和会議の米国代表の資格において、日本が琉球諸島に対する潜在主権を保有すると言明された事が想起される。" } }, { "id": "GulK-tsdkZ", "type": "paragraph", "data": { "text": " 特に琉球諸島に関しては、米国政府当局が島民の利益と安寧に充分の考慮を払われることを希望する。日本政府は、軍事目的の為に必要な土地の取得が、関係者に出来る限り不平の種を与えない様行われるならば、これ等の諸島においてのみならず日本本土においても、より好ましい雰囲気が生み出されるであろう。" } }, { "id": "OdCcOhh7ik", "type": "paragraph", "data": { "text": " 軍事施設のほとんどない小笠原諸島に関しては、行政権の返還が極めて強く希望される。又その事は米国の善意の有効な象徴となるであろう。若し直ちにとられる第一次的手段として、これ等諸島の旧島民の故郷への帰還を許す手段がとられ得るならば、日米関係を改善する大なる前進がなされるであろう。彼等島民は故郷から離れて生計を維持することを余儀なくされ、非常な困難に遭遇しつつある。日本政府は彼等の救済の為に、東京都とともに一九五四年日本会計年度に三千七百万円を支払つた。一九五五年日本会計年度には、国会の決議に従つて、日本政府単独で彼等島民救済の為に一億円までの支払をすることとなつている。斯る事情であるから、島民が帰島を許されない為に蒙つた損失について提起された請求権について米国政府が同情ある考慮を払うことを希望する。" } }, { "id": "KEhus__dxV", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス オブザーヴエションとしては、米国政府が現在の時期においては琉球及び小笠原のステータスの変更に考慮を払う用意なきことを明白にするより他はない。日本側の希望に応じ条約起草の際西南諸島の範囲を北緯二十九度以南とした。またその後奄美大島を返した。今これ以上のことは出来ない。またその用意もない。これら地域に米国は多額の経費をつぎ込んでおり、自分としてはこの時期に本問題を取り上げ\nagitation を行うことは共通の利益でないと考える。" } }, { "id": "DAHaEChtM5", "type": "paragraph", "data": { "text": " Residual Sovereignty の件についてはサンフランシスコの会議で述べたことに背反するようなことはしない。" } }, { "id": "vCajvm3duZ", "type": "paragraph", "data": { "text": " 国籍問題については何か述べられたことがあるかどうか自分は知らないが法律専門家に研究させ、後に日本政府に通報するまで自分の立場を留保する(I reserve my position until the matter is studied by the legal\nexperts and will later advise the Japanese Government.)。小笠原諸島については問題の所在をよく知らないのでコメントを控えたい。国防当局は反対していることを申上げる。" } }, { "id": "T8DXNhYzHo", "type": "paragraph", "data": { "text": " 何人位 involved されているのか。" } }, { "id": "JY1GgSDh_U", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 約七千人が involve されている。軍事施設のある硫黄島は暫らく別としてその他の島についてはどうか。" } }, { "id": "eFVVrkY7-f", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 自分の記憶では海軍関係が軍事上の理由から強く反対している。(My\nrecollection is that defence people have valid security reason for objecting it.)" } }, { "id": "igOofS-yE7", "type": "paragraph", "data": { "text": "" } } ], "version": "2.26.5" }
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