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スティーブン・ウォルト『同盟の起源』刊行記念ウェビナー
「脅威の均衡による世界:『同盟の起源』再考」
講演:
スティーブン・M・ウォルト(ハーバード大学教授)
コメント:
シャーバン・カルダシュ(TOBB経済工科大学教授)
今井宏平(アジア経済研究所研究員)
溝渕正季(広島大学准教授)
司会:
池内恵(東京大学教授)
日時:2022年4月12日午後9時ー10時半
形式:Zoomウェビナー
使用言語:英語(日・英の同時通訳がつく予定です)
参加費:無料(Peatixを通じた登録が必要です。ご登録は
こちらから)
参加資格:学生、一般市民
4月12日は東京大学の入学式のため、授業はお休みです。
新学期に新たな気持ちで学業に向かう皆さんを対象として、そして広く日本の、そして世界の人々に向けて、東京大学・先端科学技術研究センターのROLES(先端研創発研究オープンラボ)では、国際ウェビナーを開催します。
テーマは「同盟」です。
ヨーロッパ大陸で、そして北東アジアで、同盟の意義は問い直され、再確認されています。同盟は、それが存在して機能している時は空気のようにも感じられ、その意義が問い直されることも少なく、しばしば無用の長物、あるいは危険の源とすらしばしば論じられます。
しかし本当に危機が到来した時、同盟の有無とその内実は、文字通り死活的な影響を、世界のそれぞれの国民に、それぞれの形で及ぼします。
このことは、2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻を契機に、強く印象づけられたことでしょう。
諸国は、そして各国を構成する政権とその国民は、なぜ、何のために同盟を結ぶのか。同盟の効果と機能は何か。
このウェビナーでは、同盟に関する国際政治学の古典的著作『同盟の起源(The Origins of Alliances)』を著したスティーブン・ウォルト先生(ハーバード大学ジョン・F・ケネディ公共政策大学院ベルファー科学・国際問題研究センター教授)をお招きし、本書が、日本が位置するアジアの現在の情勢と、そしてロシアとウクライナをめぐる情勢に、何を示唆するのか、講話をいただきます。
ウォルト先生のご講話に続き、トルコ・アンカラのTOBB経済工科大学教授で、中東政治・国際関係論が専門のシャーバン・カルダシュ先生にコメントをいただきます。
そして、『同盟の起源』の邦訳者である、トルコ現代政治・外交政策が専門の今井宏平先生(アジア経済研究所研究員)、中東国際政治・安全保障論が専門の溝渕正季先生(広島大学大学院准教授)にご登壇いただき、ウォルト先生、シャーバン先生とのディスカッションを行います。
このウェビナーは、1987年に英語原著が刊行され、広く読まれてきた本書の邦訳が、昨年12月に刊行されたことをきっかけに、企画されました。
東西冷戦期の1980年代に著された本書を、35年の時を経て、ポスト冷戦期の時代が終わりを迎えたとも言われる現代に読み返すことで、同盟とは何か、同盟によって各国は、人々は何を得ようとしているのかを、再考する機会にしたいと思います。
国際政治理論に「脅威の均衡理論」を提示した本書は、その事例の多くが中東であり、中東国際関係史からの国際政治理論への貢献の顕著な例でもあります。冷戦期においても、ポスト冷戦期においても、そしてこれからのまだ見ぬ世界秩序においても、中東は国際政治に豊富に事例を提供し続けるでしょう。
このウェビナーは、英語圏で定着しているブック・ローンチ(Book Launch)を目指しています。英語圏では、本を刊行した際に、著者が、場合によっては世界を一周して、各地の大学の講堂やセミナールームで、書店のイベントスペースで、読者に向けて直接、自著を語り、そのテーマを語り合います。ここ数年は、コロナ禍により開催が難しくなった代わりに、オンラインでのイベントが、従来とは格段に多く開催されるようになっています。今回は、ブック・ローンチを、東京とボストン、そして本書で取り上げられている中東と、繋いで行おうという試みです。大学で日々に人知れず行われている議論を、一般に開く試みでもあります。
このウェビナーは、『同盟の起源』の邦訳者であり、ウォルト先生およびシャーバン・カルダシュ先生との知己である今井先生、溝渕先生のご尽力により、ウォルト先生、カルダシュ先生のご賛同を得て、企画が成立しました。
本ウェビナーにご関心の皆様は、ぜひ本書の入手をご検討いただくと幸いです。
スティーブン・M・ウォルト著、今井宏平・溝渕正季訳『同盟の起源ーー国際政治における脅威への均衡ーー』ミネルヴァ書房、2021年12月刊行