コメンタリー

2024 / 07 / 31 (Wed.)

ロシア北極圏における中国空軍機の展開(ROLES SAT ANALYSIS No. 9)

 2024年7月24日、ロシアと中国の爆撃機が北太平洋、チュクチ海、ベーリング海で合同パトロールを実施した。中国からはH-6K爆撃機2機、ロシア側からはTu-95MS爆撃機2機と護衛の戦闘機(Su-30SM及びSu-35S)が参加したとされている。これは中国の爆撃機による初の北極圏展開であった。 

H-6Kはソ連のTu-16中距離爆撃機をベースとして開発されたものであり、航続距離は6000kmほどである。したがって、H-6Kが北極まで展開するためにはロシア国内の基地に展開した可能性が高い。候補として考えられるのはカムチャッカのエリゾヴォ飛行場かチュコトカのアナディリ飛行場であろう。そこで両飛行場を高分解能光学衛星で観測した。 

 この結果、中国空軍のY-20大型輸送機2機が後者に展開していることが7月24日の衛星画像で確認された。H-6Kのサポート業務のために飛来したものと思われる。同じ地点を撮影した7月23日の映像ではH-6KやY-20を確認することはできなかった。
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