新たな動画を配信しました。
ROLESCast #004「AUKUSの衝撃」と題し、慶應義塾大学総合政策学部の鶴岡路人准教授(
「米国・既存秩序の動揺に関する分科会」委員)をお迎えし、9月15日に米・英・豪が発表した、米・英による豪への原子力潜水艦の供与を中核とした安全保障協力合意について、多方面から分析を加えました。
ROLESCast #004「AUKUSの衝撃」6 Oct 2021
鶴岡 路人(慶應義塾大学総合政策学部准教授)
池内 恵(東大先端研教授)
9月15日に米・英・豪の三首脳が、豪への原子力潜水艦の技術供与を中心とした、包括的な安全保障のパートナーシップの枠組みとして、AUKUSを発表しました。AUKUSの突然の発表は、世界に衝撃を及ぼし、専門家の活発な議論を巻き起こしています。
AUKUSとは何か?その意図と効果は?AUKUSが米中の大国間・戦略的競争に及ぼす影響はいかなるものか?AUKUSは米主導の対中包囲網を強化するのか、あるいは米欧の分断をもたらし、豪と東南アジア諸国の懸隔を生むのか?
欧州や日本、あるいは東南アジアなどの、米国の他の同盟国の受け止め方や、NATOや日米安全保障条約、あるいはQUAD等の他の安全保障条約・協力枠組みとの関係等、AUKUSが及ぼす影響の検討すべき事項は多岐にわたります。
慶應義塾大学総合政策学部の鶴岡路人先生をお招きし、これらの関心事や疑問に、包括的に答えていただきました。
議論は次の諸項目に及びました。冒頭の、そもそもAUKUSは「豪英米」なのか、あるいは「米英豪」なのかという専門家向けの詳細な検討に始まり、AUKUSの「衝撃」を多方面から読み解きます。
・AUKUSの性質:豪英米?米英豪?あるいは英豪米?「順序」から考える
・AUKUSに踏み切ったそれぞれの決断の背景と意図:米・豪・英が中長期的に得るもの
・米中軍事バランスに及ぼす影響
・フランスの怒り 大陸欧州諸国の反応
・日本の受け止め方
・QUADの位置づけ:その意義と役割の再定義あるいは再確認
・アングロサクソン:「同盟以上」のアイデンティティ
・原潜技術供与がもたらす核不拡散問題の複雑化
・AUKUSは「インド太平洋の安全保障条約枠組み」となり得るか
・警鐘:意図と意図せざる効果