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1955年8月30日
第2回 重光・ダレス会談(1955年8月30日)
1955年8月30日に行われた、重光葵外務大臣・ジョン・F・ダレス(John F. Dulles)国務長官の第2回会談の記録である。日本側、米国側、そして日米両国の記録の対照表が掲載されている。
※本ページはまだ試験公開中です。資料の正確性には細心の注意を払っていますが、引用、参照等される場合は、試験公開中である点、ご留意ください
日本側記録
米国側記録
日米対照表
日本側記録
{ "time": 1736416758027, "blocks": [ { "id": "hLUwmKcqHk", "type": "header", "data": { "text": "外務大臣国務長官会談メモ(第二回)", "level": 2 } }, { "id": "A4XOwjZ8r4", "type": "paragraph", "data": { "text": "[出典] 外務省外交史料館所蔵(H22-003, 0611-2010-0791-08)" } }, { "id": "oVzrBHknjK", "type": "paragraph", "data": { "text": "" } }, { "id": "4yXtWkYCnV", "type": "paragraph", "data": { "text": "外務大臣国務長官会談メモ(第二回)" } }, { "id": "qSCibWolCx", "type": "paragraph", "data": { "text": "昭和三十年八月三十日" } }, { "id": "rviXWNSpBL", "type": "paragraph", "data": { "text": "出席者次のとおり<br>日本側 重光大臣、河野大臣、岸民主党幹事長、井口大使、加瀬大使、松本官房副長官、千葉欧米局長" } }, { "id": "tEVrAck4Q2", "type": "paragraph", "data": { "text": "米国側 ダレス長官、ロバートソン国防次官、ラドフォード統合参謀会議々長、マーフィー国務次官代理、シーボルト国務次官補代理、グレー国防次官補" } }, { "id": "_7_E-QdYfK", "type": "paragraph", "data": { "text": " 本会議においては防衛問題に関し、左記のとおり意見の交換が行われた。<br>重光 まず自分より防衛問題に関する自分の考えを披瀝する事としたい。(左記を朗読、英語原文別紙(一)参照)" } }, { "id": "MVu_Uch6-F", "type": "paragraph", "data": { "text": " 「日本は直接間接の侵略に対する自己の防衛に対する責任を、次第に引受けることにより、一九五一年の安全保障条約前文に表明された米国の期待に応ずるよう常に努力してきた。さらに最近に至りかかる方向に対する努力は一九五四年の相互防衛援助協定の締結に伴つて強化された。終戦後全く非武装化されたわが国はかくて一九五六年三月末には第一表に示す自衛力を保有しようとしている。" } }, { "id": "ZloqJRNKmI", "type": "paragraph", "data": { "text": " 終戦後の経済上財政上のあらゆる困難に際して、相互防衛援助協定その他により米国から供与された軍事援助がなかつたならば、わが国の防衛力増強は不可能であつたであろう。われわれはこのような援助に深く深謝している。" } }, { "id": "1PAamfjfnt", "type": "paragraph", "data": { "text": " しかしながらわれわれは上記の防衛力が充分でないことを認識している。われわれは現在防衛増強のために一九五五年日本会計年度に始る六カ年計画を策定中である。この計画によれば、陸上兵力は一九五八年日本会計年度末までに十八万人、海上兵力は三万四千名艦艇十二万三千九〇〇屯、航空兵力は航空機一千三百機、人員四万二千名に、一九六一年日本会計年度末までに増強されることとなつている。年次毎の増強の詳細は第二表のとおりである。" } }, { "id": "9SnorXnz0M", "type": "paragraph", "data": { "text": " 右の長期防衛計画の実現は日本経済の不断の発展並に米国からの引続く援助の如何によることはいうまでもない。" } }, { "id": "d-Jvj5kSR_", "type": "paragraph", "data": { "text": " われわれはこの計画は、米国が陸上部隊を手始めとして米軍を日本から逐次撤退することを可能ならしめるものと信じている。若し米国政府が右の米軍撤退の意志を明らかにするならば、一般国民の心理上有益な影響を及ぼすであろう。それは日本の国土防衛は日本国民自身の責任であることの充分な認識を日本国民に喚起し、自衛のための軍備反対論者の論拠を除去しまた国防計画を推進する政府の努力を容易ならしめること大であろう。" } }, { "id": "ffhuZKuPpz", "type": "paragraph", "data": { "text": " さらに六カ年計画案は日本政府に莫大な財政負担を課すものであり、またこの計画により可能となる米陸上部隊の撤退は米軍が日本における物資役務の調達に必要とする円経費を減少せしめることにかんがみ、米国政府が行政協定により現在日本が負担している防衛分担金を実質的に削減し且つかかる分担金制度そのものを究極的に廃止することについて考慮を払うことを希望する。" } }, { "id": "iuBBL4R-7t", "type": "paragraph", "data": { "text": " われわれは現行の安全保障条約に代る新な防衛条約を締結することを目的として事態を再検討することが、両国の最高の利益に合致する時期が到来したものと考える。" } }, { "id": "amzX-Gf9pr", "type": "paragraph", "data": { "text": " 安保条約調印の際は非武装化された日本は、集団安全保障機構における平等の基礎を有するパートナーとして立つ地位になかつた。さらに当時の新憲法の解釈と財政的経済的困難の故に、日本政府は相互的基礎に立つ軍事的双務協定を締結することが不可能であつた。しかしながら今や日本は、現実にNATOまたはSEATOのある国の軍備を凌駕する軍事力を保有しておりまたそれは六カ年計画の上にさらに増強されようとしていることにかんがみ、現在の一方的安全保障条約に代る相互的基礎に立つ新防衛条約を両国間に締結する機運が熟していると考える。" } }, { "id": "WF8s1vm7-e", "type": "paragraph", "data": { "text": " かかる新条約は米国とオーストラリヤ、ニュージーランド、ヒリッピン、韓国、中国等との間に締結されている条約に倣い各締約国が西太平洋における他方の締約国の領土又はその行政管轄下にある地域に対する武力による攻撃は自国の平和と安全にとつて危険なものであることを認め、その憲法上の手続に従つて共通の危険に対応する行動をとることを宣言するという趣旨の相互防衛に関する規定を含むことができるであろう。」この基本的構想について貴方は同様に考えられるか否か承知したい。" } }, { "id": "wqKHyDE5jl", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス まず自分より一般的見解を述べた後ラドフォード議長をして具体的軍事問題についてコメントをしてもらうことにしたい。" } }, { "id": "gvEjXyS_TR", "type": "paragraph", "data": { "text": " 日本の防衛力増強に応じて米軍を漸次撤退することが米国の政策である。米国はその軍隊特に地上兵力が不必要となり他のものによつて(日本の自衛軍)置き換えられるに至れば、日本の兵力を維持することは欲していない。在日米軍の減少に応じて分担金の削減も考慮する用意がある。" } }, { "id": "fkBgWnUT5_", "type": "paragraph", "data": { "text": " 現行条約を新条約に置き換えることを考慮する時期は尚早ではないかと思う。実は新しい条約が受け入れられ支持を受けて実行され得るか如何かが未だ自分等には明確でない。" } }, { "id": "c-gbg57sLZ", "type": "paragraph", "data": { "text": " 昨日大臣が共産主義の脅威に対抗する上の困難について述べられたことに、自分は強い印象を受けると同時に憂慮を抱いた次第である。大臣はステートメントで次のように述べられた。" } }, { "id": "nVxinjtkXi", "type": "paragraph", "data": { "text": " 共産党労農党社会党は国家再建のための基本的法案を葬るべく結集した。これらの法案は憲法調査会法案、国防会議法案を含み予算案にさえ反対した。彼等は米国との協力を促進することを目的とするあらゆる法案に反対した。" } }, { "id": "eFRC0Aumi8", "type": "paragraph", "data": { "text": " そこで自分は新な条約態勢を真に実行性のあるアレンヂメント(practical\nworking arrangement)にするために必要な支持が得られるか否かについて疑をもたざるを得ない。昨日自分の得たピクチュアーの下において、安保条約による既存の関係を新な関係に移すことに躊躇せざるを得ない。われわれは現在の日米関係を多とし不確定なものに移ることを欲しない。安保条約は日本の議会の大多数をもつて批准され合憲的基礎を有するものである。新条約が日本国会の承認を受け得るか否か即断出来ない。しかしこの問題は時間の問題と考える。自分は日本が安保条約の前文に述べられている防衛力の増強を自ら進んで実行することを希望する。自分は日本政府が今まで成して来たことを過少評価するものではない。自分は最初から安保条約は永久的なものではなく、時機が来れば新なコースがとられるよう注意して来た。日本が自衛の意志を固めるに従つて再考しなければならないと最初から考えていた。しかし今の所その時期は来ていないと思う。近い中にその時期が来るかもしれないが目下の所それは明確でない。非友好分子の防害が可能である現在の時期が、安保条約に変更を加えるべき時期であるか否か疑わしい。勿論何れは現在の情勢は変化するものと考えている。自分の見る所現在の国会における反対分子は日米関係の破壊を目的としている。一旦日米関係が破壊されれば停止する所を知らないであろう。貴大臣と会談できる現状が寧ろ望ましいのであつて、新条約について真面目に交渉する時期ではないと思う。" } }, { "id": "LriJ-g654G", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 貴長官の述べられる所は直接侵略に関係していると思うが、直接侵略に対して現条約は有効であると思う。自分は間接侵略に対処することが、より困難であると考える。即ち共産党の宣伝に対抗することが困難である。現態勢では共産党の勢力を増大するばかりである。われわれは共産党に対抗して戦わんとするものであるが、そのためには武器が必要であり、自分はその武器を求めているのである。現態勢においては共産党に対抗する武器を失うであろう。われわれは現行の不完全な条約に代つて新しい武器を考えなければならない。これは相互防衛条約である。自分は一夜の中にこのような切換を行うとは考えていない。防衛問題を充分研究して相互的基礎に立つよりよい案を考え出したい。" } }, { "id": "QR4DPaDWM_", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 条約の更改は現条約の予想している条件が達成されたときに行うべきである。新条約の締結は、日本がより有効に自由諸国との協力に貢献し得る様になり又共産主義に充分対抗し得る程度に強力になり且つ国会の支持が確保される時期に行わるべきである。今ここで新条約に切換えることはかえつて共産党に乗ずる機会を与えることとなる。新条約となつても共産党の宣伝は変らないであろう。共産党は如何なる条約を結んでも、それが米国との協力である限りこれに反対し米国の隷属国家であると非難するであろう。共産党の戦術は条約の条項を変えること(legal refinement)によつて如何とも出来るものではない。" } }, { "id": "yytbxncU5B", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 自分は日本国民全体としての反応が重要であると考える。われわれは善良な国民を共産党の宣伝から守らなければならない。かれらの宣伝を骨抜きにしなければならない。あなた方は国民を啓発しろと言われるであろうが現態勢の下においては一般国民を啓発することは容易でない。" } }, { "id": "-A7zuRlKt2", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 共産党の宣伝は同様に行われるであろう。" } }, { "id": "Y5d2SvxaXk", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 共産党の宣伝が成功しその危険が増大しこれを制約することが不可能となるであろう。この際われわれは共産党に対する有効な対抗策を講じなければならない。" } }, { "id": "FpxxGH3Mve", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 条約を代えなければ共産党に対抗出来ないと言うことであれば最悪の事態と言わざるを得ないが、自分はそうは考えない。日本が自己の力によつて強国となることをもつて共産党と戦うことが出来ると考える。米国は四十数カ国と条約を結んでいるが何れの国においても共産党の攻撃を受けている。" } }, { "id": "gVmBATn3pA", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 日米の関係は、米国と台湾、フィリピンの関係とは相違している。日本国民は何故日本が不平等でなければならないか了解しかねている。われわれは国民に対し日本が再び平等になつたと言うことが言いたいのである。" } }, { "id": "Pr8Nrg8Qn3", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 共産党は何処の国でも同じことを言うに決つている。フランスにおいてもドイツにおいても条約の形式如何にかかわらずそれらの国が米国に隷属しているとの同じ議論を主張しているのが実情である。" } }, { "id": "v6gmZo3rAg", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 日本においては若干事情が違つている。仮令共産党が同じ戦術を用いてもその効果が他の国とは違つている。新しい条約を採用すればよりよく共産党の宣伝に対抗出来ると考える。現在の態勢では日本の立場はフィリピン台湾朝鮮と異つている。" } }, { "id": "_0MvEehvEk", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス フィリピンとは軍事基地協定がある。日本もフィリピンと同様の協定を欲するのか。" } }, { "id": "jooYQCs3bS", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 フィリピンと同様平等の基礎における条約を希望する。現在の安保条約は日本に自衛力のない時に出来たものである。然し今は日本は自衛力を保有している。" } }, { "id": "kxz0oPNs9d", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス しかしその自衛力はアデクエートではない。従つて条約は充分な自衛力が出来た時に考慮すればよいではないか、例えば三年経つてから考えてもよいではないか。" } }, { "id": "qBl3mnMYdH", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 しかし共同防衛態勢は今から考えられると思う。" } }, { "id": "sQoWBr46NM", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 現在の安保条約は暫定的なものであることに異存はない。問題は何時これを更改するかということである。貴大臣は共産党との関係から今直ちにこれを行う様述べられるが自分の共産党に対する長年の経験から見て、条約を改変することによつて共産党の宣伝が変つて来ると考えるのはイリュージョンと考える。自分は条約を今直ちに更改するという議論にはインプレスされない。日本が充分自衛力を有するに至つた時期に条約の更改を計ることには同情的である。自分は日本の現情において野党の妨害が可能である程強力であることは憂慮に耐えない。" } }, { "id": "IeEnxEmhlN", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 自分は将来条約を作るために今から研究することを提案しているに過ぎない。自分は一夜にして条約が代えられるとは思つていない。" } }, { "id": "0oxZY4o3EE", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 条約更改の基礎となるべき条件を今から創り出す様努力すべきである。" } }, { "id": "3CNEMxcP0L", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 現在の安保条約態勢において自衛力増強を行うことはわれわれの義務であり必ず実行したい。しかし同時に安保条約態勢を再編成することを提案しているのであつて、それには時間を要するので今から検討を始めるのがよいと思う。" } }, { "id": "c8-rJ1X9AN", "type": "paragraph", "data": { "text": " 防衛増強計画完遂には三年又はそれ以上を要するが極力努力している。一方新たな基本的構想の下に条約の態勢を改善することを検討する時期が来ていると考える。貴長官が条約更改の時期が来たことに同意されないことには失望を禁じ得ない。将来の改善のために協力願いたい。" } }, { "id": "dd6XZZZtzJ", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 日本の防衛力を増強する問題について話をしたい。この問題についてはラドフオード議長の意見を言わせて貰えば有益であると思う。" } }, { "id": "iZdidUQR76", "type": "paragraph", "data": { "text": " 条約の準備は一日でも出来ると思う。必要な準備は日本自体において日本国民の支持の下になさるべきである。問題は如何にして真に自衛力を有する軍隊を作る意志を創り上げるかということである。" } }, { "id": "CMj_DQZcL5", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 その時期を早めたいと思つているのである。" } }, { "id": "lcS3l4Nv0x", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス それは結構なことである。" } }, { "id": "WZ9vVtEDHN", "type": "paragraph", "data": { "text": "ラドフォード 貴方の六カ年計画についてコメントいたしたい。但し政治問題に触れた場合は私の個人的意見と考えて頂きたい。" } }, { "id": "P2UADA6Ms6", "type": "paragraph", "data": { "text": " この計画は日本の安全保障のためには充分でないと考える。これは米国の援助への依存を前提としている。在日米軍の半分は後方補給部隊即ちテクニシヤンのグループである。戦斗部隊は撤退出来るとしても日本側の計画には補給部隊の各種施設を運営する人員が含まれていない。日本の制服の人には必要性を承知しているが問題はかれらが充分な計画を立案することを許されていないことに存する。要するに未だ米軍と全面的に交替するには不充分である。米国としては軍事的立場からも兵員を本国に帰還せしめることを希望しているが、そうすることは現状においては未だ危険である。後方補給部隊は海空軍についても同様であり撤退を約束することは出来ない。" } }, { "id": "FME6RkYL9e", "type": "paragraph", "data": { "text": " 要するに戦斗部隊は別として補給部隊を増強すべきである。補給部隊を維持する能力はNATOやSEATO諸国に比し、日本の方が大であると考える。日本は産業的にも経済的にもこれらの国に比し強大である。日本の計画は控え目に過ぎるので未だ撤退は出来ない。今撤退出来るということはオネストでもなければ良心的でもない。" } }, { "id": "HPLymUvCld", "type": "paragraph", "data": { "text": " しかし自衛力の増強に応じて兵力削減を現に計画していることを申し上げたい。過去においても日本の増強より早い速度で米軍を削減して来た。しかし戦斗部隊と補給部隊は区別しなければならない。又陸軍の補給部隊は海空特に空軍の補給の主力を担当している。又空軍施設の防空も陸軍が担当している。現在約七万の陸軍中約半分が補給部隊である。結論として日本の計画は均衡がとれていない。(not well rounded)" } }, { "id": "p6pP8pMg41", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 日本が補給部隊をも整備することについては協議し得ると思う。現在まで行われている協議には満足していないのか。" } }, { "id": "kxHHVTcfV5", "type": "paragraph", "data": { "text": "ラドフォード 協議は行われているが満足していない。" } }, { "id": "b_5yJshmEu", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 協議がより満足なものになる様努力したい。" } }, { "id": "iB3zbj7ByO", "type": "paragraph", "data": { "text": "ロバートソン 日本の自衛力の規模、補給部隊の整備等につき日米共同委員会を作れば有益であると考える。米国側としては在日大使極東軍司令官を代表としたい。委員会は最高レヴェルのものとする事が有益であると考える。" } }, { "id": "re3xjLxe5b", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 この様な委員会は政府レヴェルのものでない方がよいと考える。" } }, { "id": "8AbC6ecnDk", "type": "paragraph", "data": { "text": "ロバートソン しからば日本側は誰を代表に考えられているか。" } }, { "id": "XTUJcBatGV", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 防衛当局者が適当と考える。又協議は政府を拘束するものでなく単に勧告を行う諮問機関とすれば有益であると思う。" } }, { "id": "-4vd0Vh8Vs", "type": "paragraph", "data": { "text": "ロバートソン 日本側でメンバーを決め次第協議は始められると思う。" } }, { "id": "cd_irKbew5", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 しかり、委員会は同時に条約について検討しては如何" } }, { "id": "TLFmiTOs6g", "type": "paragraph", "data": { "text": "ロバートソン 主として防衛上の条件について協議するもので条約そのものについては考えてはいないが条約について話合う時期を早めることになると思う。" } }, { "id": "3oa2hOAD4X", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 しからば条約は在日大使と話合う事が出来ると思う。" } }, { "id": "zu-9f_-yly", "type": "paragraph", "data": { "text": "ロバートソン しかり但し時期を待たねばならない。" } }, { "id": "3Iyq-aNchb", "type": "paragraph", "data": { "text": "グレー 国防省は飛行場拡張問題について心配している。" } }, { "id": "-eXbD0hnZC", "type": "paragraph", "data": { "text": " 日本側が計画に同意したことはエンカレツヂングであるが色々反対運動のある事はディスカレッヂングである。" } }, { "id": "86AAIGRzmI", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 自分はこの様な反対を抑える方策を立てるために米国に来ているのである。" } }, { "id": "ifFtCeFbYE", "type": "paragraph", "data": { "text": "グレー 飛行場拡張の必要性についてもつと国民に説明を行い、行政協定の義務に止らず日本の防衛上必要であることを一層強調する必要がある。反対運動には対策が必要であるが米国側で出来得る事は援助したい。" } }, { "id": "HBQJ6gNlu6", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 米国は反対運動に対して警察力を使う事を望んでいるか。" } }, { "id": "GMYWb5DEfJ", "type": "paragraph", "data": { "text": "グレー 説得が望ましいと考える。" } }, { "id": "TafjAgmF5F", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 戦後治安維持に必要な法令は撤廃され取締のために新な立法が必要であるが、社会党が反対するので殆んど不可能である。政治力が必要である。我々はもつと背後の力を固める必要がある。武器が必要である。この武器は自分の提案する防衛の新機構である。「共産党に」対抗するには力が必要である。" } }, { "id": "LKclii9urY", "type": "paragraph", "data": { "text": "ロバートソン この様な問題についても協議出来ると思う。グレー氏は一般国民が充分理解していないと思うので国民に対する啓発を望んでいる。" } }, { "id": "XyfH14sxLL", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 国民は政府の言う事に耳をかさない。警察力を用いねばならぬがこの事は左翼の乗ずる所となる。しかし飛行場拡張は約束したことであり政府は必要により強権を使用する決意である。反対は強大であるがgenuineではない。共産党に対抗するために武器を求めたい。現在の方式では事態は悪化しなくとも改善はされないであろう。" } }, { "id": "G7aMHInh2X", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 共同委員会はこの様な問題の解決にも役立つと考える。条約の問題は準備が出来た後協議すればよいと思う。" } }, { "id": "UYVZ6M6ZEH", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 現在の方式をそのまま維持しようという考えでは共同委員会も困難となる。" } }, { "id": "2vFZAhhfzW", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス「共産党に」対抗することが条約更改の唯一の理由であるならば失礼を顧みずそれは全く誤りtotally\nwrongであると申し上げたい。共産党は集団保障機構に入つている国に対しても同様のことを云い、各国の孤立化をねらつている。相互防衛取極によつて保護されている国のみが安全である。「共産党の宣伝に」対抗する唯一の途は、マグサイサイ・アデナウアーの如く米国と進んで協力し、米国が自由陣営の指導勢力であり米国の援助を受けこれを誇りとすることを国民に知らせることであると考える。米国の重要性を否むことは駄目である。もとより何時の日か条約の更改が実現することを望んでいる。提案された条約の下において、日本は本当に米国を援助することが出来るのか。未だ日本は「相互防衛」の能力がない。日本は国内の態勢を立て直さなければならない。私は昨日の大臣の話を聞いて憂慮している。" } }, { "id": "LK3QBO1jim", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 長官は私の云わんとする所を諒解されていない。" } }, { "id": "nuk5KCcbAc", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 否、よく諒解している。米国は何処でも同じ経験をしている。「米国に支配(dominate)されている」「アメリカンゴーホーム」と云われている。我々が全部本国に引上げ安全保障がなくなれば共産側が侵入して来るであろう。自由諸国は夫々単独では自衛する能力はない。問題の解決は共同(partnership)にある。各国が共通の目的に貢献することにある。かくして始めて事態は改善される。" } }, { "id": "ptqK_h0Rr6", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 日本は自主的立場において協力せんとするものである。共産党は日本が米国に利用されていると宣伝している。" } }, { "id": "ID48VUkYPr", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 彼等は何処でも同じ事を云つている。" } }, { "id": "08EDvXjP4x", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 現在のままでは日本国民は独立を完成していないと考えている。" } }, { "id": "zhXAvumnRP", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 今日完全に独立な国はない。すべて相互依存関係(inter-dependence)に立つている。日本国民も相互依存関係を容認しなければならない。しからざれば孤立して次は本当に独立を失うであろう。" } }, { "id": "mlmsecSZym", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 現条約の立前は日本が自衛力をもたず米国に対して分担金のみを払うこととなつている。従つて国民はこの様な事態の下では真の独立国家ではないと考えている。" } }, { "id": "9JpyvJpnse", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 日本の防衛力増強米軍の削減に応して分担金を減額することは米国として容認出来る。" } }, { "id": "dX4pmHGJCX", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 日本の自衛力は既に組織されている。日本が既に自衛力を有することに応じて現在の機構を改めるべきであると考える。" } }, { "id": "3Wcv9bX3rX", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 自衛力が完備し憲法が改正されれば始めて新事態ということができる。現憲法下において相互防衛条約が可能であるか。" } }, { "id": "Ekse_HtdUd", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 しかり。日本は自らを守ることが出来る。" } }, { "id": "yC2jqUpqho", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 日本は米国を守ることが出来るか。たとえばグワムが攻撃された場合はどうか。" } }, { "id": "_pWhmAblRD", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 その様な場合は協議をすればよい。" } }, { "id": "JNuX5lHQSt", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 自分は日本の憲法は日本自体を守るためにのみ防衛力を保持出来るというのがその最も広い解釈だと考えていた。" } }, { "id": "yI2YfAj7mA", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 しかり。自衛が目的でなければならないが兵力の使用につき協議出来る。" } }, { "id": "68x_AYOyyO", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 憲法がこれを許さなければ意味がないと思うが如何。" } }, { "id": "hz4Toc_tFR", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 自衛である限り協議が出来るとの我々の解釈である。" } }, { "id": "HqO1RnCYr4", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス それは全く新しい話である。日本が協議に依つて海外出兵出来ると云う事は知らなかつた。" } }, { "id": "yv7n3H_FFn", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 米国の場合協議を要するか。" } }, { "id": "PoCZ44gU6Q", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 要しない。" } }, { "id": "iQ6bUAsToY", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 日本は海外出兵についても自衛である限り協議することは出来る。日本がこれを承認するか否かは別である貴方においては同意されないが日本は既に防衛力を有し又これを更に増強することについて協議する用意がある。我々は日本の立場について考慮が払われることを期待する。貴方と対等の立場になる事について考慮されたい。現条約は対等でなく米国に依存している。われわれの希望は平等の立場で米国とパートナーとなる事である。貴長官は未だ時期でないと云われるが昨日の会談で述べているとおり自衛力の完遂に邁進する決意である。防衛問題に関する共同委員会の提案をも受諾する用意がある。" } }, { "id": "v_RP38XErw", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 我々は共通の考え方を共同コミュニケにおいて何とか表現出来ると思う。" } }, { "id": "O_JNr8l3Jr", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 我々は平等を欲する。" } }, { "id": "CKXiHsZ1AO", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 自分は安保条約が半独立を規定したと云う解釈には同意出来ない。条約は常に主権を制限するものであるが、この事は従属性を意味するものではない。勿論平等ではない。完全な平等は不可能である。日本が米国の防衛に当り得る時期が来る迄は真の平等とゆう事はないであろう。" } }, { "id": "gSIRxfcZZk", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 諸国の関係は理論上平等でなければならない。" } }, { "id": "o2wCmJMOhq", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 日本は完全な主権国である点において何れの国にも劣らない。不平等の取扱を受けていると考えるのは誤りである。" } }, { "id": "J7Q3lHXX1o", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 安保条約のもとでは平等の取扱を受けていない。毎年分担金の交渉をしなければならない。" } }, { "id": "_EIIJTx_6T", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス それは甚だ遺憾である。何とかそれは避けねばならない。しかしNATO諸国においては毎年十二月各国の寄与すべき兵力について交渉をしているのが実情である。これは相互安全保障にはつきものである。これ等の交渉をより自動的に融和的に行う様したいものである。NATO諸国との交渉は矢張り不愉快なものである。しかしこの交渉を全然なくしてしまう事は出来ない。" } }, { "id": "Mfda7YvPe_", "type": "paragraph", "data": { "text": "ラドフォード 元より日本の防衛増強に応じて分担金は削減しなければならない。共同委員会で協議することが適当と考える。" } }, { "id": "iUsmMIutfD", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 この委員会を通じ分担金計算の基礎になる資料として在日米軍に関する情報が欲しい。" } }, { "id": "s-LoDDlNxs", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス それは委員会を通じ話合う事が出来ると思う。" } }, { "id": "YH5NqqJJdh", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 今迄の長官のお話しを伺いその意図する所をrecapitulateするとこんなものになると思うが如何。" } }, { "id": "MZWrW3lJw5", "type": "paragraph", "data": { "text": " 第一に、貴長官は新防衛条約を直ちに締結することは時期尚早であると云われたが、自分は原則論としては、貴長官も同意されたものと了解する。" } }, { "id": "HjHiwUwhzl", "type": "paragraph", "data": { "text": " 第二に、他方日本の国内情勢上、相互的基礎に立つ米国との新防衛条約に基く防衛機構の樹立が不可欠である。" } }, { "id": "86w3law5CV", "type": "paragraph", "data": { "text": " 第三に、以上に鑑み、自分は日本の防衛力が国防の為適切と見られる規模に到達し次第に、現行安保条約に代るべき新な相互防衛条約の準備の為の、作業を直ちに開始することを提案する。" } }, { "id": "VG1EpznfQs", "type": "paragraph", "data": { "text": " 第四に、この様な作業は通常の外交々渉を通じて継続されるものとする。" } }, { "id": "40NFt6skDF", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 書き物で検討したい(注、之は改めて書き物とせず事務当局で相談の上合意の趣旨をコムユニケに盛り込むこととした。)" } }, { "id": "Latgjwmcup", "type": "paragraph", "data": { "text": "岸 ダレス長官が現在の安保条約は暫定的なもので適当な時期には更改すると云われた事に感謝する。外務大臣の言われる共産党の脅威に対し対抗する為の根本対策は国民生活経済生活の安定が第一と考える。その為には強力な安定政権が必要なのであつて我々は今真剣に保守合同に努力している。これが完成すれば経済計画を有力に推進することが出来、経済力の増進に応じて自衛力の増強も可能となる。真の対共産党対策は政治勢力の結集である。それによつて経済安定対共産党手段も可能となつて来る。従つてこの事が出来る事態となれば当然米軍の撤退並びに現在の条約の改正も現実の問題として可能となつて来る。" } }, { "id": "BvkGzUrVG7", "type": "paragraph", "data": { "text": " 共同委員会を通して充分意見を交換し我方の考え方を実現したいと考えるので米国側の了解を求め従来と変らぬ助力を望み度い。" } }, { "id": "XKoQXmrsDK", "type": "paragraph", "data": { "text": "ダレス 私は日本が世界の強国としての地位につくことを期待している。この為に米国は努力して来た。そうでなければ援助もせず安保条約の締結、ガット加入の援助もなさなかつたであろう。これはすべて米国が日本が再び強国として正当な地位に復帰することを望んでいるからである。しかし米国に反対の立場をとることが当面の問題を解決する唯一の道であるとの考え方には憂慮を禁じ得ない。そうゆう事はないと自分は信ずる。" } }, { "id": "l52APPnxXp", "type": "paragraph", "data": { "text": " 米国はかつて日本が強国として復帰することを邪魔したことはない。今日日本の事態が困難であることはわかるが、この事態は遠からず変化し、日本は日本自体のみのためでなく他国の為にも力を尽し得る日の到来する事を期待する。我々は引上げたい。台湾からも引上げたい。唯今日はそれが出来ない。その日が早く来る事を望んでいる。日本が世界の主要国となることを望んでいるが米国に背を向けてはそれは出来ないと思う。日本は共産主義者にこびてはいけない。我々は感謝されたいと思つてはいない。" } }, { "id": "55soICe10F", "type": "paragraph", "data": { "text": "重光 我々は共産主義者を喜ばせる考えは毛頭ない。我々は彼等と斗わんとするものであつてそのためにこそ条約の更改を求めているのである。" } }, { "id": "K_UBvQgMLQ", "type": "paragraph", "data": { "text": "当日のプレスレリース(別紙(二)参照)について打合せ午后五時半散会" } } ], "version": "2.26.5" }
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